認知症の具体的な症状と対策は?

認知症の具体的な症状と対策について

認知症の症状と対処法

 

認知症の症状は実に様々なものがあり、対応や対策もその内容に応じてたくさんあります。

 

たとえば、4大認知症のどのタイプに当てはまるかによっても違いますし、それらの認知症の中でも、さらに症状は細かく分けられます。

 

その現れる症状によって、介護者は接し方や対応・対策を変化させる必要があるのです。

 

ここでは、現場から実体験した症状に対する具体的な対策についても触れています。

 

では、そんな認知症の症状と対策について見ていきましょう。

認知症の具体的な症状と対策は?記事一覧

認知症と転倒の危険性について触れてみます。認知症の介護にあたっては、最も注意しなければならないと言っても過言ではないのが「転倒」や、それに伴う骨折などの怪我です。ふだん私たちは、特に意識もせず歩いていますが、認知症の方にとって「歩行」は、常に危険と隣合わせのことなのです。もちろん、段差や障害物につまづいて転倒するのは、ふつうの方でもあることですし、良くわかります。ところが、認知症の方はバランスがう...

認知症の方の中には入浴拒否、つまりお風呂を嫌がる方がいらっしゃいます。認知症の方をお風呂に入れようとすると、大声を上げたり暴れたり、かなり強めに入浴拒否をすることが多いので、結局は介護者が諦めざるを得ません。何とか無理やり入浴させることは可能でも、それ以後の入浴拒否が強くなるデメリットの方が大きいからです。若い頃のように、毎日お風呂に入るのが当たり前というような感覚を持つ必要はありません。しかし、...

認知症が進んだ方の中には、食べられない物を食べてしまう「異食行為」という行動が多く見られます。認知症による異食は、食べられる物と食べられない物との区別がつかなくなります。たとえば、その辺にある異物を口に入れた場合、「食べ物じゃない」と思って吐き出さずに、そのまま飲み込んでしまいます。認知症の方の異食行為は、目につく物を何でも口に入れたりします。紙屑やティッシュ、飾ってある花や植物、植木鉢に入ってい...

認知症が原因で、凶暴になるという方がいらっしゃいます。認知症のご本人としては、認知機能に障害があることで不安になり、それが警戒心となって些細なことで激しく怒ったりするのです。また、認知症の方の凶暴化では、大声でわめいたり暴力的になって暴れることもあります。また、認知症患者は「扁桃体(へんとうたい)」と呼ばれる、脳内で好き嫌いや快、不快の感情に関わる部位が敏感に反応することも分かっています。人間には...

認知症の易怒性(いどせい)という言葉をご存知の方は少ないかも知れません。易怒性とは、一言で言えば、とくに怒りをあらわにする性質のことで、認知症の方によくみられる状態のひとつです。あなたは、認知症の方が感情を爆発させやすいと感じたことはありませんか?介護者の方から「うちの祖父は一生懸命介護をしているのに些細なことで怒りだしてしまう」「いつもいらいらしているから、気をつかう」「姑がさっきまで笑っていた...

認知症の症状の一つに「繰り返し行動」というものがあります。認知症の「繰り返し行動」は、常同行動とも言われますが、一般的には自閉症の症状としての方が有名だと思います。たとえば、おまじないのように同じ言葉をひたすら反復したり、長時間同じ場所に立ちつくしてみたり、手を叩き続けるなどの行動があります。「前頭側頭型認知症」でも、同じ繰り返し行動が見られることがあり、脳の前頭葉が萎縮することによる認知症症状の...

認知症の患者に限らず、うっかり物を壊すというのは、一般的によくあることです。しかし、認知症患者には、時折「物を壊す」という問題行動を起こすケースが見られる事があります。もしも、認知症患者が、理由もなく頻繁に物を壊すようなら、それは「うっかり」や「たまたま」ではなく、問題行動である可能性が高いです。ここでは、そんな認知症で物を壊すという問題行動についてご説明します。

認知症の患者の方が、同じ話を何度も何度もするというのを目の当たりにした方はとても多いことでしょう。「また同じこと言ってる!」「さっきも言ってたのに!」「もぉ~!何回言うのよ!」認知症なんだから仕方がないとは思いつつも、ついさっきと同じ話を何度もされると声を荒げたくもなりますよね?認知症の患者と接する方は、このような場面に出くわすことも多いのではないでしょうか。ここでは、認知症の患者が同じ話をするケ...

認知症の症状の一つに作話(さくわ)というものがありますが、ご存知でしょうか?読み方は作話(さくわ)ですが、要するに「作り話」のことです。認知症と作り話について、私の体験談を一つご紹介しましょう。ある独身の認知症の方がいらっしゃいます。その方からいきなり、「今度、結婚することになりました。結婚式を○月○日に挙げるのでぜひ来てください。」と言われて驚いたことがあります。もちろん、そんな事実はありません...

認知症になった方の運転免許について、困ったことが起きるケースは少なくないでしょう。近年ニュースでよく耳にするのが、高齢者の運転よる高速道路の逆走であるとか、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故などです。その場合の原因には、認知症による判断能力や運動機能の低下が挙げられます。現代社会において、自動車はとても便利な乗り物ですが、危険と隣り合わせの乗り物でもあります。私の知り合いの高齢男性は、「まだ...

認知症と意欲低下という症状の関係についてご説明します。認知症の方の中には、着ている服が汚れたままという方が、わりと多く見られます。もちろん、汚れているかどうか、洗濯した物かどうかがわからなくなっている場合もあります。しかし、認知症の症状である「意欲低下」によって身だしなみに無関心になっていることも考えられるのです。また、意欲低下が起きると、「何もしていない時間」が増えるなど、何事に対しても無関心に...

「思い込み」という症状と、認知症の関係についてご説明しましょう。まず、認知症が疑われる方から「(誰かが)私の悪口を言っている。」とか、「私は近所からのけ者にされている。」という訴えを聞いたときには、ご家族は大抵「そんなことないよ。」と答えるものですよね。しかし、認知症で思い込みが激しい場合、そんな言葉では納得しません。それどころか、当のご本人にとっては妄想ではなく現実であるため、自分を信じてくれな...

認知症によって「無気力」という状態になる方が、たくさんいらっしゃることをご存知でしょうか?認知症の症状の中でも、顔を洗う、食事をするといった日常生活の中での動作に気力が無くなった事をアパシー(無気力、無関心)といいます。ちなみに、鬱(うつ)になった場合も、意欲が低下して無気力のように見えることはありますが、認知症のアパシーとは別物とお考え下さい。認知症による無気力(アパシー)との違いは、悲しい、落...

認知症の帰宅願望についてご説明しましょう。「他人の家に遊びに行っても、夕方ぐらいになると家に帰りたくなる」そんな気持ちになった経験のある方は多いのではないでしょうか。帰りたい気持ちになるという意味では、これも「帰宅願望」と言えるでしょう。特に、私の経験では、子供の頃はそんなことが多かったように思います。そんな「子供の頃のような感覚」が認知症になった高齢者の心理にも現れることがあります。これを認知症...

認知症の患者が薬を飲まない!・・・という経験をされて困っている介護者の方は多いのはないでしょうか?飲ませようとしても、口を開けない、飲み込まない、吐き出すなどはよくあるケースでしょう。認知症なんだから薬を飲んで当たり前と思っている人もいるようです。しかし、ご本人にとっては飲まない言い分や理由、つまり原因があるのです。ここでは、認知症の患者が薬を飲まない原因や対策についてご説明します。

認知症の初期症状の一つに「お金への執着心や猜疑心」があることをご存知でしょうか?実は、認知症の介護施設に通ってくる方の中には、お金や高価な物品を持ってくる方がけっこう見受けられます。そういうものはトラブルの元なので、施設であればご家族やケアマネージャーらにキチンと報告をして対処してもらうなど、ご家族と施設間の「信頼関係」が重要になってきます。認知症の方のお金に関係するトラブルというのは、「お金を盗...

認知症の患者の金銭管理について頭を悩ませる身内の方は多いと思います。アルツハイマー型認知症の初期段階として、日常生活で金銭管理に絡む作業をする能力が失われていき、トラブルになるケースも増えていきます。今の世の中、認知症患者や予備軍となる方の金銭管理能力は、犯罪に巻き込まれる可能性があるほど、危険に満ちています。銀行のATMへ行けば、「振り込め詐欺にご注意ください」というような貼り紙やポスターが貼ら...

認知症の方が夜中に叫ぶ時や、大声を上げてしまう時は本当に大変です。また、認知症の方の中には、寝言で叫ぶ方なども多いです。わたしたちが「叫ぶ」時というのは、思いを伝えたくて大声を出すことや、怒りのために大声になることもあります。また、恐怖のために悲鳴を上げることもありますよね。そして、認知症の方々が叫ぶ場合にも原因はいくつか考えられます。ここでは、そんな認知症の方が叫ぶことへの原因や対処法をご説明し...

認知症の患者が、わけの分からない奇声を発することはよくあることです。認知症患者のいる介護施設を訪れると、時折『ワァ~・ワァ~』や『ア~・ア~』などの奇声が聞こえてくることがあります。認知症の方が発する奇声とは、日中であったり夜間であったりと様々です。しかし、介護の仕事に夢を抱いて就職してきた若者達にとっては、少々衝撃的な場面であるのかもしれません。特に、夜間に大きな奇声をあげられると介護者の方は、...

認知症と空腹の訴えには、どのような関係があるのでしょうか?認知症の方は、ごはんを食べたにも関わらず、「ごはんはまだ?おなかが空いたんだけど。」・・・という空腹の訴えをしてくることがよくあります。これは、ひとつには、認知症による「短期記憶障害」によって食べたことを忘れている状態があります。それともうひとつは、脳の満腹中枢の機能低下によって、「満腹感を得られていない」ための空腹の訴えと言われています。...

認知症と尿失禁の関係性について考えたことはありますか?認知症の高齢者の方が「尿失禁」という症状になるのはよくあることです。老人用のおむつ等がたくさん販売されているのは、尿失禁という症状の多さを良く現していると言えるでしょう。排尿の仕組みは「尿」が溜まってきて膀胱が拡張し、一定容量を超えると信号が神経から脳に伝わり、排尿するかどうかを決定します。そして、脳から排尿のための各筋肉に「指令」が出されると...

認知症になった方の弄便(ろうべん)に頭を悩まされる介護者はとても多いです。弄便とは、便を弄(もてあそ)ぶと書きますが、読んで字のごとし、そういう行動を認知症の方が行うということになります。自分の便を弄ぶなどということは、普通だったら考えられませんよね?初めて遭遇した介護者の方は、自分の目を疑うことでしょう。しかし、認知症による弄便(ろうべん)という行為は「便」という認識ができずに、本人もどうしたら...

認知症症状の種類のひとつに、「妄想」があります。そして、この妄想の中の「約8割」に及ぶのが「物盗られ妄想」と呼ばれるものです。物盗られ妄想は、認知症の方が自分の現金、通帳、貴重品の類を「誰かに盗られた!」と訴えるものです。その「誰か」というのが、ご家族や介護ヘルパーなどであることが大半なので、対応に苦慮することが多いのです。次に多いのは、「嫉妬妄想」という、配偶者が浮気をしているという妄想です。夫...

認知症患者に良く見られる症状として『被害妄想』があります。被害妄想と言っても種類は様々で「物盗られ妄想」「嫉妬妄想」「幻視、幻覚」等、色々なものがあります。物盗られと言っても「財布が無くなった!盗られた!」というものから「しまっておいたティッシュが盗られた!」と介護者や周りが「そんな物のことで」と思う事まであります。ここでは、そんな認知症による被害妄想について詳しくご説明します。

認知症によって「記憶障害」が起きるということは、多くの方がご存知だと思います。一番分かりやすいのが、一般的に「物忘れ」と呼ばれる、ちょっと前にあったことを思い出せない状態でしょう。ところが、記憶障害はそれだけではありません。そもそも、記憶には「記銘→保持(把握)→想起→再認」という流れがあります。実は、この中のどれに欠落が生じたとしても記憶障害として現れることになるのです。ここでは、そんな認知症に...

認知症と睡眠障害には、どんな関わり合いがあるのでしょうか?ご存知のように、高齢になってくると若い人よりも眠りが浅くなり、夜中に起きやすくなります。また、身体の筋肉や関節の痛みを持っていたり、寝たきりの老人の場合は、床ずれが痛むことで睡眠障害を引き起こしやすくなります。さらに認知症になると、神経伝達物質の量変化によって「睡眠・覚醒・体内時計」の調節が狂い、さらに睡眠障害になりやすくなります。高齢者が...

認知症の方の内、異常な寝言が出るのは「レビー小体型認知症」の方がほとんどです。その場合、寝言に振り回されるご家族の苦労も相当なものです。睡眠は、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)に分けられますが、浅い眠りの時、脳は覚醒時と同じような状態になっており夢を見ています。夢を見ている時は眼球は細かく動いていますが、体の力は抜けています。ですから、普通は夢と体が連動することはありません。ところが...

認知症の方を病院に連れて行くために、苦労することは良くあります。病院嫌いの方はどこにでもいらっしゃいますが、認知症の疑いのある方が病院に行きたがらない理由は少し違っています。だから、認知症の方を病院に連れて行くには苦労があるのです。認知症の方が病院に行きたがらないのは、病院が怖い、面倒くさいということではないケースが多いです。「自分の尊厳を守りたい」という思いがその根底にはあるようなのです。どうい...

認知症と万引きについてご説明します。まず、万引きというと、昔は青少年の犯罪というイメージがありました。ところが、近年、高齢者の万引きが社会的な問題になって来ています。高齢で低収入(無収入)のために生活に困っての万引きもあるでしょう。しかし、認知症が原因の万引きも多く見られるようになっているのです。たとえば、認知機能障害により「レジを通ることを忘れる」、「お金を支払うという概念の欠落」などの直接的な...

認知症による「空間認識」の影響についてご説明しましょう。老若男女問わず方向音痴の人、地図を読み取るのが苦手な人がいます。これは「脳の働かせ方」の違いによるもので、生まれつきの場合が多いようです。ところが、認知症になると、今まで道に迷うことのなかった方でも道に迷うようになることがあります。これは、記憶力の低下と、「空間認識能力=視空間認識能力」の低下に伴う症状で、自分の現在地がわからなくなります。目...

高齢者の方がテレビを見ている時に、認知症が疑われる行動にでることがあります。一人暮らしの若い人がテレビに話しかけることもよくあるようですが、これはもちろん障害のためではなく単なる癖のようなものでしょう。ですが、高齢者の方にそのような兆候が現れたら、認知症の妄想のひとつ「テレビ徴候」というものを考えてみる必要があります。ここでは、認知症とテレビとの関係性についてご説明します。

認知症の方の偏食について、頭を悩ませているという介護者の方は多いのかも知れません。昔から食事量は「腹八分目」が良いと言われていますね。ある研究グループの結果からも、カロリーの過剰摂取は「アルツハイマー型認知症の発症率」を上げていると報告されています。数値的には、一日に必要なカロリーの40%も過剰に摂っているというデータもあります。さらに、「アルツハイマー型認知症」の方の食習慣には、かなり偏食の傾向...

人生の楽しみとして、おいしいものを食べるということは心にもいい影響を与えます。ところが、高齢になると味覚が変化、というより「劣化」してきて食べる楽しみを奪ってしまいます。介護施設では、ティータイムにコーヒーや紅茶を出すことがありますが、通常の砂糖の量では甘さを感じない方がいらっしゃいます。私たち健常者にしてみれば、「甘すぎて気持ち悪くなる」くらいの量でようやく満足したりします。これは食事にも言える...

認知症の患者が脱水症状になってしまうと、どうなるのでしょうか?認知症の患者に限らず、高齢者になると、脱水症状になる状況を作りやすいです。たとえば、水分をたくさん摂取するとトイレが近くなるという昔からの思い込みや、トイレにまで行くのが億劫だと思う気持ちから、水分摂取を控えてしまうことが多いようです。その結果、脱水を引き起こしやすくなるのです。そんな定期的に水分を摂らない生活習慣が、認知症患者に対して...

認知症患者の中には食事の際、食べ物を口に溜め込む方、そしてそれによってなかなか飲み込むまでいかない方がいます。口に溜め込む原因は、まずは介護拒否からくるものがあります。その場合は、ご本人の意思ということになりますので、いろいろな話をすることで解決できるケースもあります。しかし、認知症によって口に溜め込む患者で困ってしまうのが、ご本人の意志ではない場合です。たとえば、食事をする為の運動機能(嚥下)の...

認知症の患者が、食べ物を食べない状態が続くというケースがあります。“焼肉・ステーキ・ご飯は大盛り”と、若い頃は食欲旺盛だった親が、年を重ねるにつれ食べる量が減ってきたなんていうことは一般的にもあることです。しかし、親に認知症があった場合で食べないことが増えたというケースがあります。その場合には、“なぜ食べないのか”あるいは“食べられないのか”の原因を探る必要があります。ここでは、そんな認知症の患者...

認知症の患者が嚥下障害(えんげしょうがい)という状態になるのはよくあることです。嚥下とは、食べた物を口腔内から舌で喉に送り、飲み込み胃に送る一連の動作のことを指します。ちなみに、食べ物を認識して口に入れ、咀嚼(そしゃく)するという一連の流れの事を摂食(せっしょく)と言います。そして、この2つを一連の動作とし「摂食嚥下(せっしょくえんげ)」とも言います。今回は、認知症の方がなりやすい嚥下障害について...

認知症の患者がキレることで、さまざまな事件に発展しているという話は、いろいろなニュースでも取り上げられていますね。認知症患者の中には、以前は温和、穏やかな性格だったのに、現在では直ぐに暴言、暴力、怒りっぽくなったと、俗にいうキレやすくなったという方が多々おります。ただし、認知症の方全員が認知症の症状でキレるとは限りません。今回は、そんな認知症でキレることについて、原因と対策をご紹介します。

認知症による「常同行動」についてご説明します。このところ「ルーティン」という言葉を耳にする機会が多くなっています。たとえば、プロスポーツ選手が本番を迎えた時や「ここぞ」という時に必ず行うルーティンと呼ばれる仕草や行為は、ある意味“儀式”とも言えます。これをやらないと気持ちが悪い、気持ちが乗らないなどの理由からのようですが、常同行動も似たような心理状態である場合があるのです。つまり、常同行動とは「こ...

「認知症」と「せん妄」は、よく混同されてしまうようです。せん妄とは、意識障害が起こることによって頭が混乱に陥っている状態のことです。認知症と似た症状が出て、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の患者に良く発症するものです。そのため、認知症の症状だと思う方も多いと思いますが、実際のところ認知症とせん妄は別なものです。ここでは、そんな認知症とせん妄についてご説明していきます。

認知症の方で、日内変動という症状が起きるケースがあります。認知症による日内変動は、朝起きてから午前中はボーっとしているのに、黄昏時の夕方や夜になると興奮状態になったりするものです。黄昏症候群と言われることもあります。つまり、日内変動とは、1日の中でも症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すわけですね。ここでは、そんな認知症による日内変動についてご説明します。

認知症の現場でよく聞かれるピック病という言葉をご存知でしょうか?ピック病とは、前頭側頭型認知症の中に含まれるものです。前頭側頭型認知症(FTD)は「前頭側頭葉変性症」の中核的な病気で、大脳の前頭葉と側頭葉に特異的な萎縮が見られる病気です。前頭側頭型認知症(FTD)では前頭葉、側頭葉の委縮が原因となる認知症で、以前までは前頭側頭型認知症患者には必ずピック病が発症していると考えられてきました。しかし、...

認知症とてんかんが同時に起きるという話を聞いたことはありますか?認知症で物忘れが酷くなることは分かるが、てんかんが起きるとはどういうことだろうか?と疑問を持たれる方も多いと思います。ちなみに、てんかんのご説明をしますと、脳に異常な痙攣(けいれん)が起こることで、突然意識を失ったり、痙攣を起こしたりする病気のことです。認知症の種類にアルツハイマー型認知症というものがありますが、その場合「てんかん」が...

認知症と統合失調症は間違われることが多いですが、その違いはどこにあるのでしょうか?まず「認知症」は、一度取得した知能が存在したにもかかわらず、後天的に脳に障害を受けたことがキッカケとなります。その結果、記憶機能や認知機能が低下し、日常生活が難しくなる状態で、若年性認知症もあるけれども概ね高齢期に起こる病であり、誰にでも起こりうるのが認知症です。それに対して「統合失調症」は、10代から40代くらいの...

認知症によって平衡感覚が衰えて来るというのは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?高齢者になってくると、認知症でなくても転倒するケースも良く見られますが、それは老化に伴う平衡感覚の衰え、脳の衰え、筋力の衰えが原因と言えるでしょう。平衡感覚とは小脳の働きで保たれていますが、体のバランスや運動による体の動きを感知する感覚のことです。平衡感覚によって人間は、体の動きのバランスを保っています...

認知症になった患者に臭覚の異常が見られるという話がありますが、実際はどうなのでしょうか?認知症には一般的によく知られている「アルツハイマー型認知症」という種類があります。実は、アルツハイマー型認知症の場合には、記憶の衰えよりも先に嗅覚機能の低下や障害がみられる場合もあるのです。そして、この嗅覚異常は認知症のご本人のみならず、介護者への負担も大きくなる問題ですので、たかが嗅覚とあなどってはいけません...

認知症の方が難聴になって、会話がなかなか思うように行かなくなるというケースはよくあります。認知症に限らず、加齢によって足腰が弱くなったり、目が見えにくくなったり、固いものを食べるのが難しくなってきたなど、加齢特有のいろいろな症状は現れてきます。そして、その中には難聴、つまり、年を取って『耳が遠くなった・聞こえにくくなった』という症状もあります。これを“加齢性難聴”と呼んでいます。ここでは、認知症と...

近年、認知症の方が徘徊の末に行方不明になったり、事故にあったりするケースが相次いでいます。あるいは、どこの誰かわからない状態で、何年も施設で保護されたままでいるというニュースを見ることが多くなりました。家の中をうろうろ歩き回る徘徊なら、「トイレを探しているが見つからず歩き回る」などのように目的のある場合があります。トイレを探しての徘徊ならトイレの場所を教えてあげるとか、トイレへの道順を壁に貼ってお...

認知症の患者が、何かのきっかけで寝たきりになるというのは、よくあるケースです。認知症だと寝たきりになるリスクが高いのか、寝たきりが認知症を悪化させるのかは難しい問題です。ちなみに、認知症の末期では基本的に「寝たきり」になってしまいますが、認知症で寝たきりになるのは末期だけとは限りません。たとえば、薬を多く飲み過ぎて効果が出過ぎることで転倒した。認知症による徘徊中に交通事故にあってしまった、ベッドか...

認知症になった患者は、昼夜逆転することがよくあると言いますが本当でしょうか?認知症であるなしにかかわらず、高齢者になってくると一般の人に比べて眠りが浅くなり、夜中に起きてしまう事が良くあります。これは、中途覚醒という睡眠障害が増えてくることによるものです。また、加齢による関節の痛みがあったり、寝たきりになっている高齢者なら「床ずれ」による痛みで眠りが浅くなってしまうこともあります。さらに、認知症患...

認知症による歩行障害についてご説明します。昔から「老化は足(脚)から」と言われますね。その言葉通り、年を取ると脚の筋力が落ちるのは当然のことですが、認知症によって歩行困難に至る場合が多々あります。「アルツハイマー型認知症」の後期では、前傾姿勢で緩慢な歩行になりやすい特徴があります。また、「脳血管性認知症」では、運動機能に障害が出るため(麻痺など)、歩行が難しくなりますし、「レビー小体型認知症」では...

認知症の方の服装については、どのように考えればよいのでしょうか?認知症であるなしにかかわらず、加齢によって体温調節機能が低下することは誰にでも考えられることです。それは若い頃に比べて「皮膚感覚」が低下することによるものです。しかし、認知症になるとそれらの理由ばかりではありません。記憶障害や見当識障害により判断力も低下するので“暑い・寒い”の判断ができなくなるのです。ここでは、そんな認知症の方の服装...

認知症でずっとしゃべる・・・という人がいらっしゃいます。ただの「おしゃべり」というわけではありません。認知症と診断された人の中には、相手が聞いていようが聞いていまいが、おかまいなしにずっとしゃべり続ける人をみかけることがあります。また、以前は口数が少ない方だったのに、突然絶え間なくしゃべり続け、おまけに止めようとすると怒り出す方もいらっしゃいます。さらには、ずっとしゃべる内容があちらこちらに飛んで...

認知症の方が、いつの間にか大量の「物を集める」という行動に出ていて驚いたというケースがあります。認知症を発症し進行することによって、すべての人がそうだとは言えないのですが、やたらと物を集めるという“収集癖”を持つ人がいらっしゃいます。周りからしてみると『なんでこんなものを集めるの?』と疑問に感じてしまうような物、例えばトイレットペーパーや雑誌、お菓子の空き箱や包み紙、ひもなど、どう見ても不要としか...

認知症の方が迷子になってしまい、警察から電話がかかってくるなど、対応に追われた経験をお持ちの方は多いことでしょう。認知症になると時間や季節などがわかりにくくなります。そして今いる場所がわからなくなり、やがて人がわからなくなります。それから認知症がもっと進行すると、やがて徘徊をして迷子になってしまうことがあります。ここでは、そんな認知症の方が迷子になることについてご説明します。

認知症の方の一人暮らしについて触れてみます。いつも、通所介護施設に通ってくる方々の中に「一人暮らし」の方が多いことに驚かされます。しかも、「この方が一人で生活しているなんて、まさか信じられない」という状態の方も少なくありません。たとえば、一人では歩行もままならない、着替えができない、食事がうまくできない、お金の管理ができない、道具が使いこなせない、コミュニケーションがうまくとれないなどなど・・・社...

認知症と痴呆症(ちほうしょう)の違いをご存じない方は、結構多いように思います。「え?認知症も痴呆症も同じじゃないの?」と思った方も、もしかしたらいらっしゃるかも知れませんね。また、この2つの違いを知らないために言葉を間違って使ってしまい、認知症のご家族から大変な反感を買ってしまったというケースもあります。ここでは、そんな認知症と痴呆症の違いについてご説明します。

認知症の注意障害とは簡単に言ってしまうと「注意力」「集中力」が低下する事で日常生活に支障を来してしまいます。アルツハイマー型認知症になった方が記憶障害になるというのはよく聞かれますよね。ところが認知症の症状は実にいろいろで、中には「注意障害」があるケースも存在します。たとえば、人間はいろいろな音の中から自分が必要とする音だけを拾い出す能力があります。テープレコーダー等で録音した音声と人に聞こえる音...

認知症の見当識障害は、よく聞かれる症状の一つだと思います。まず、見当識とは、時間、場所、人物等の情報から自分がおかれた状況を判断する機能の事を言います。認知症により脳への損傷や異常が見られると見当識は低下します。そのため、「今自分がどこにいるのか」「今の季節は」「話している相手は誰なのか」等の時間、場所、人物が分からなくなってしまい、アルツハイマー型認知症では記憶障害の他にも見当識障害が目立ってき...

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