認知症の方の一人暮らし

認知症の方の一人暮らしについて

認知症の方の一人暮らしについて触れてみます。

 

いつも、通所介護施設に通ってくる方々の中に「一人暮らし」の方が多いことに驚かされます。

 

しかも、「この方が一人で生活しているなんて、まさか信じられない」という状態の方も少なくありません。

 

たとえば、一人では歩行もままならない、着替えができない、食事がうまくできない、お金の管理ができない、道具が使いこなせない、コミュニケーションがうまくとれないなどなど・・・

 

社会生活において必要な部分にハンデがありすぎる認知症の方が多いのです。

 

別居のご家族が訪れたり、訪問ヘルパーが入ったりしている場合はありますが、孤独な時間の方がはるかに長いのです。

 

そんな時に病気になったり、転んで怪我をしたりしても、自分ではどうすることもできずに、誰かが来るまでそのままの状態で待っているしかないのです。

 

定期的に通っている施設の送迎の職員が「返事がない。様子がおかしい」ということで病気や事故に気づくこともあります。

 

しかし、週に数回の通所であれば、数日間放置される場合には「命の危険」もあるわけです。

認知症の方の一人暮らしの限界とその対処

一般的に知られているかどうかわかりませんが、認知症は進行する病気です。

 

認知症が発症して時間が経てば経つほど、一人暮らしの限界があらわになってきます。

 

この時、公の支援を受けるのは当然の権利ではありますが、ご本人から求めることは不可能と言っていいでしょう。

 

ご家族やヘルパーの目が届いていれば、更なる支援の提案ができるのですが、身寄りすらない「独居」の場合は地域の目、ご近所の目が大きな力となります。

 

ですが、ご近所に気になる独居高齢者がいても、プライバシーに立ち入ることは躊躇されるのは当然の心情でしょう。

 

こんな時は、匿名でもかまわないので、自治体の窓口に一報するだけでも救われる高齢者がいることを覚えていてほしいと思います。

 

それほど、認知症の方にとっての一人暮らしは、現在たいへんな状況になっていると言えるのです。

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