認知症の昼夜逆転について
認知症になった患者は、昼夜逆転することがよくあると言いますが本当でしょうか?
認知症であるなしにかかわらず、高齢者になってくると一般の人に比べて眠りが浅くなり、夜中に起きてしまう事が良くあります。
これは、中途覚醒という睡眠障害が増えてくることによるものです。
また、加齢による関節の痛みがあったり、寝たきりになっている高齢者なら「床ずれ」による痛みで眠りが浅くなってしまうこともあります。
さらに、認知症患者になると、睡眠や体内時計の調整をする脳機能に変異や異常が見られ睡眠障害が起きてきます。
ここでは、認知症患者の昼夜逆転についてご説明します。
認知症で昼夜逆転する原因とは?
認知症になった患者が昼夜逆転してしまう原因は何でしょうか?
睡眠障害になった認知症患者は、夜間に眠れなくなったり、途中で何度も数十分、数時間おきに起きてしまう事で、日中に眠くなってしまいます。
そのため、日中はそのままウトウトと眠ってしまい、夜間では起きている状態がドンドン増え、次第には「昼夜逆転」の現象が起きます。
また、認知症の症状が進行してくると日中と夜間の区別が付かなくなることがあります。
そのため、外が暗くても「朝だ」と思い込み起きている場合等もあります。
具体的な例をあげると、深夜でも構わず、テレビやラジオを日中と同じ音量で付けているお年寄りはよく見かけると思います。
また、日中は眠気で食事を摂らず夜間で覚醒しているため「ご飯はまだか!」と家族や介護者に訴える人も多く見受けられます。
睡眠をとれておらず歩行状態にふらつきが見られるなどの症状が出てきます。
認知症患者の昼夜逆転が多くなった場合、昼間の活動量を増やしたり、睡眠を薬によってコントロールするなどの対応をしなければならないでしょう。
そうしないと、家族や介護者の負担が非常に重くなってしまいます。
認知症の昼夜逆転に対する対処法は?
では、認知症患者に昼夜逆転が起きてしまった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか?
まず、認知症患者の狂った体内時計を元通り戻すために、朝の日光を浴びるという方法はおすすめです。
なぜなら、朝日を浴びると体内時計は自然に正常に戻ろうとするためです。
次に出来ることとしては、「朝」「昼」「夜」と解る様に規則正しい時間で食事を摂るということです。
もしも、日中何もしておらずボーッとしている事が多い患者ならば、日中には本人の好きな事や家事等を手伝ってもらい、日中に沢山活動して起きているようにするのも効果的です。
また、眠りに入って途中で起きない様に、寝る前にはトイレへ行って排泄する様にする等、起きてしまう原因を事前に対策すると効果がある場合もあります。
昼夜の区別が付かず、いわゆる「見当識障害」の症状がある場合には、治療薬で対処する方法もあります。
しかし、睡眠薬には眠気で歩行にふらつきがあったり、起床時に転倒する危険もあるため、注意が必要となってきます。