認知症で物を壊す場合について
認知症の患者に限らず、うっかり物を壊すというのは、一般的によくあることです。
しかし、認知症患者には、時折「物を壊す」という問題行動を起こすケースが見られる事があります。
もしも、認知症患者が、理由もなく頻繁に物を壊すようなら、それは「うっかり」や「たまたま」ではなく、問題行動である可能性が高いです。
ここでは、そんな認知症で物を壊すという問題行動についてご説明します。
認知症で物を壊す原因は?
認知症による物を壊す問題行動に出る原因とは、一体なんでしょうか?
実は、認知症によって脳機能の低下が進んでくると「感情のコントロール」そのものが出来なくなって来ます。
そのために破壊行動、つまり「物を壊す」という行動に繋がる場合があります。
また、本人としては以前出来ていた事は出来なくなったり、上手く言葉で表現できなくなると、不安やイライラから「物を壊す」ことで感情を表現する場合もあります。
他にも、認知症治療の為の治療薬の副作用として攻撃的になるケース。
また、介護する側が普段から冷たい、命令口調、攻撃的等、本人に悪い印象を与えると起こる場合もあります。
認知症で物を壊す場合の対処法は?
認知症の問題行動によって物を壊す場合の対処法をご説明します。
まず、攻撃的になる、暴言、暴力等が出た場合には、少し離れた場所から落ち着くまで様子を見ることが効果的です。
また、介護する側の人が同じように怒ったり、抑え込む様な対応をしないように気を付けることは、何よりも大切です。
認知症の問題行動で物を壊す場合、刺激してしまうと、更に興奮状態が悪化してしまいますからね。
また、落ち着いてきたら穏やかな態度で話を聞いたり、ゆっくりウンウンと頷きながら相槌を打つことでも、気持ちが落ち着いて、問題行動が収まる場合があります。
そして、普段からの介護する態度も大切です。
なぜなら、普段からの信頼関係が、認知症患者の攻撃的な行動を収めてくれることもあるからです。
もちろん、それが難しい場合もあるとは思いますが、基本的にいつも穏やかに、笑顔で接する様に心がける様にしてください。
治療薬の副作用で攻撃的になる場合は、医師に相談して処方を変えてもらったり、量を調整してもらう等の対応が必要になってきます。
また、認知症の方の感覚としては、テレビの音や人が喋っている声、早口で話されたり等は騒音にしか聞こえないことがあります。
そのため、テレビの音は極力小さくしたり、会話もなるべく本人が気にならない程度で話すことが大切です。
そして、会話する場合には同じ目線で、ゆっくりと話す事で攻撃的行動の予防にもなります。
あわせて、物を壊してしまわない様に、認知症患者のまわりには、事前に壊されそうな物を置かない等の対策が必要です。