認知症と脱水症状について
認知症の患者が脱水症状になってしまうと、どうなるのでしょうか?
認知症の患者に限らず、高齢者になると、脱水症状になる状況を作りやすいです。
たとえば、水分をたくさん摂取するとトイレが近くなるという昔からの思い込みや、トイレにまで行くのが億劫だと思う気持ちから、水分摂取を控えてしまうことが多いようです。
その結果、脱水を引き起こしやすくなるのです。
そんな定期的に水分を摂らない生活習慣が、認知症患者に対しては、いろいろと困ったことを引き起こしてしまいます。
ここでは、認知症と脱水症状との関係性についてご説明します。
認知症の脱水症状はなぜ起きる?
認知症患者の脱水症状を起こすのは、どのような時でしょうか?
よく言われることですが、高齢者は若い人たちとは違って脱水状態を起こしやすくなります。
なぜなら、高齢になればなるほど、体内に水分を保持しにくくなるからです。
赤ちゃんの肌がみずみずしいことは言うまでもありませんが、これは水分が体内にたっぷり保持されているからです。
(赤ちゃんは80%が水分とも言われています。)
ところが、高齢になればなるほど肌は乾燥し、体内に水分が少なくなるのはご周知のとおりです。(高齢者の体内水分は60%以下)
また、高齢になると『のどが渇いた』といった自覚症状も持ちにくくなるようです。
ですので、高齢になって脱水になる恐れがある場合「のどが渇いた」と思う前にこまめな水分摂取が大事になります。
しかし、高齢者の中で最も恐いのが“認知症の脱水症状”です。
認知症の人が水分の不足によって脱水になると意識レベルが低下し、認知機能がダメージを受ける結果、認知症が悪化してしまうことがあるのです。
特に、意思疎通の難しい認知症の脱水症状には、周りの人達で普段から気をつけてあげる必要があります。