認知症の注意障害

認知症の注意障害とは?

認知症の注意障害とは簡単に言ってしまうと「注意力」「集中力」が低下する事で日常生活に支障を来してしまいます。

 

アルツハイマー型認知症になった方が記憶障害になるというのはよく聞かれますよね。

 

ところが認知症の症状は実にいろいろで、中には「注意障害」があるケースも存在します。

 

たとえば、人間はいろいろな音の中から自分が必要とする音だけを拾い出す能力があります。

 

テープレコーダー等で録音した音声と人に聞こえる音声が違うのはそのためです。

 

また、会話をしていて内容や声を理解するために集中して耳を傾けたり、状況によってはその注意を他の対象物に向けて理解しようとする能力もあります。

 

そんな能力が認知症の注意障害によって衰えてしまうのです。

認知症の注意障害が起きる原因は?

認知症による注意障害は、右脳で広範囲が損傷する事によって起こります。

 

そのため、重度に進行した認知症患者が注意力や集中力が著しく低下して注意障害となってしまうのは、脳が委縮、変異、損傷することからです。

 

右脳は、空間や風景、顔等の認識、見た物の全体の把握に関わりますが、認知症の注意障害では、注意の持続、維持が難しくなります。

 

また、言語・記憶・思考が上手く行えなくなり、会話や思考が途中で止まってしまったり、断片的になり支離滅裂な会話になり行動に一貫性がなくなります。

 

一度に情報が処理する事が難しくなり、短い会話は理解出来ても長い会話や周囲に話し声や他の物音があると理解出来なくなります。

認知症の注意障害への対処法は?

認知症の注意障害に対しては、どのように対処すれば良いのでしょうか?

 

認知症の注意障害では、周囲にある情報から必要なものを選出する事が上手く出来なくなってしまいます。

 

そのため、介護者が会話をする場合、静かな場所でゆっくりと端的な情報を伝える事により会話が成立できるということが多いです。

 

また、同時に複数の作業をさせたり、1つの事を長く行わせようとしてはいけません。

 

そうではなく、興味のある事や簡単な作業から始め、一度に多くの事をさせずに1つづつ確実に作業を行うようにして、徐々に集中する時間を伸ばして行くようにします。

 

認知症の方が作業を行う環境も、静かな場所で周囲がキレイに整頓された、注意が他に行かない様な場所で行います。

 

そして、注意する事をメモ等に書いて目に入る場所に貼る等して対応します。

 

また、注目、注意させたい物には注意が行くように目立つ様な工夫をし、本人の注意を向けやすくします。

 

注意障害が疑われる認知症患者に対しては、ぜひとも焦らず、ゆったりと構えて、目を見つめながら対応することを心がけましょう。

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