認知症でキレる老人がいる?
認知症の患者がキレることで、さまざまな事件に発展しているという話は、いろいろなニュースでも取り上げられていますね。
認知症患者の中には、以前は温和、穏やかな性格だったのに、現在では直ぐに暴言、暴力、怒りっぽくなったと、俗にいうキレやすくなったという方が多々おります。
ただし、認知症の方全員が認知症の症状でキレるとは限りません。
今回は、そんな認知症でキレることについて、原因と対策をご紹介します。
認知症でキレる患者の原因とは?
認知症の患者がキレる原因は一体なんでしょうか?
実は、その原因はいくつもあります。
たとえば、介護する側が命令口調、冷たい、本人が不安、バカにされている、と自尊心を傷つけられたと思う事から「キレる」となります。
また、認知症の症状、主にアルツハイマー型認知症では、その病気自体の症状で「キレる」事もあります。
また、本人が認知症による脳機能の低下に伴って「何をやっても上手くいかない、出来ない」とイライラしてしまう場合も、キレる老人となります。
また、施設に入ったり、心配だから家で見る為に引っ越した、等の環境の変化により、キレることもあります。
「どうしてこんな所に来なければいけないんだ」
「どうして知らない所に閉じ込めるんだ」
と環境の変化が原因でキレやすくなるのです。
例にだすと、介護する側が「忘れるんだから、メモに書いておきなさい」と言うと、認知症の方でなくても、命令された、冷たい、バカにされた、と思いますよね?
それと一緒で、いくら認知症で脳機能が低下しているとは言っても、認知症の方は相手の感情を読み取る事に関しては直感で分かってしまいます。
認知症でキレる患者への対処法は?
では、認知症の患者がキレる場合、どのように対処したら良いのでしょうか?
まず、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、症状自体から来る「キレる」というものがあります。
その場合、病院へ受診し治療薬での対処法があります。
しかし、普段接している人が「認知症だから、どうせこっちが言っても分からないだろう」と命令口調だったり、冷たい言葉をかけるのは絶対に避けたい行為です。
認知症だとしても相手は一人の同じ人間です。
また、「自分より人生の先輩なんだ」と敬う気持ちで対応する側も変わってきます。
また、認知症の方がキレるから、こちらも言い返す等という同じレベルで言い合うのも絶対に良くありません。
認知症の方は更に怒りや興奮がエスカレートしてしまいます。
認知症の患者がキレたら、まずは相手の話を静かに聞く、落ち着くまで待つのが大切です。
普段からの接し方にも注意が必要です。
認知症の方は「楽しい」「ムカつく」等の喜怒哀楽、怒と楽は特に印象として残ります。
その為、日常で楽しいと思わせるのが大切です。
接している人に関しても「この人は良い人」と印象があると少しのイライラでも緩和されるのと同じで、認知症の方でも普段良く笑う人は中々怒りません。
コミュニケーションも大事で「この人と一緒にいると楽しい、安心する」と思わせる様、介護する側の努力も必要です。
だからと言って、無理に介護する側の人が楽しいと思う事を押し付けるのは禁物です。
あくまで、認知症の方が楽しい、安心すると思う事です。