脳血管性認知症の「発作型と緩徐型」の違いについて
脳血管性認知症に「発作型と緩徐型(かんじょがた)」というものがあることをご存知でしょうか?
脳血管性認知症の発作型というのは、脳梗塞など(のうこうそく)等をキッカケとして、局所症状と呼ばれる片麻痺や言語障害などを伴うものです。
一方、緩徐型は、認知症の症状が徐々に進行するタイプのものです。
ここでは、脳血管性認知症の発作型と緩徐型の違いについてご説明します。
脳血管性認知症の発作型と緩徐型の症状のちがいは?
脳血管性認知症の発作型と緩徐型の症状のちがいは何でしょうか?
まず、脳血管性認知症は、脳梗塞(のうこうそく)などの脳血管障害の発作の反復によって段階的に症状が悪化することが特徴です。
その中で、ビンスワンガー型白質脳症や多発梗塞性認知症(たはつこうそくせいにんちしょう)の場合、発作型でなく緩徐型(徐々に進行)の場合もあるので注意が必要です。
発作型は、脳梗塞などの発作や一過性脳虚血発作のあとに症状が現れ、段階状に悪化します。
麻痺や嚥下障害、小刻み歩行などの神経症状が見られたり、失語、失行、失認といった症状が現れることもあります。
また、初期から「実行機能障害」や「意欲低下」が目立ちます。日動変化もあります。
緩徐型は、ビンスワンガー型白質脳症などに現れることがあり、アルツハイマー型認知症のように緩やかに進行するタイプです。
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症が混合している場合もあるので、注意が必要です。
認知症のおよそ10%が混合型と言われています。
(一般的にアルツハイマー型とその他の認知症との併発)
脳血管性認知症の「発作型と緩徐型」の対処のちがいは?
脳血管性認知症の発作型と緩徐型、それぞれの対処のちがいはどこにあるのでしょうか?
脳血管性認知症の発作型は、脳血管障害を起こすたびに段階的に進行が進みます。
そのため、原因となる生活習慣病の治療が病気の再発、進行を防ぐことを覚えておきましょう。
脳血管障害による認知症は、急に発作が起き、進行してしまうため、認知症になってからの治療では遅すぎます。
中年期から、生活習慣病に対する治療が大切です。
脳血管認知症の緩徐型が現れることが多いビンスワンガー型白質脳症は、脳の大脳白質が広く障害されるのが特徴です。
この疾患は、高血圧との関係が深く、高度の動脈硬化による脳の白質病変が特徴的とされています。
アルツハイマー型認知症のように緩やかに進行することもあるビンスワンガー型白質脳症に対しても、普段の食生活等、生活習慣を改めることで予防ができます。
他の脳血管障害と同じように、歩行障害や嚥下障害、麻痺などの神経症状とともに、うつ症状や意欲低下なども現れます。
緩徐型が現れることがあるビンスワンガー型白質脳症は、50代後半から発症することがあるというのも特徴的です。
高齢者でなくても発症の可能性があるので、生活習慣を見直してみましょう。