脳血管性認知症のケアのポイントについて
脳血管性認知症の介護にあたる方はケアのポイントをどのように考えれば良いのでしょうか?
一言で「認知症」とは言ってもその種類はいろいろで、それぞれの認知症の症状によってケアのポイントも変わって来ます。
そのため、脳血管性認知症のケアのポイントを掴むには、この病気の原因や症状をしっかりと理解することが大切です。
ここでは、脳血管性認知症のケアのポイントについてご説明します。
脳血管性認知症のケアのポイント~病気を理解する~
脳血管性認知症のケアのポイントを掴むために、まずはこの病気について理解を深めましょう。
脳血管性認知症は、脳梗塞やクモ膜下出血などの「脳の血管」の疾患によって起こる認知症です。
脳血管の疾患がよくなったり悪くなったりを繰り返し、脳血管性認知症は進行します。
また障害の起きた脳の場所によって、症状も変わってきます。
1日のうちで、できるときとできないときがあるという「まだら認知症」と言われる症状がでてくるため、ケアのポイントがなかなかつかめません。
脳血管性認知症の方は、意欲がなくぼーっとしているときもあればしっかりしているときもあります。
そのため、ただ何もしないというだけではないかと思える場面が多くあります。
また、脳血管性認知症の方は、ご自身が認知症であることを自覚していらっしゃる方が多いです。
脳血管障害で麻痺などの身体の機能低下を伴っている方は、特に、
- 「なんでこんな風になったのか?」
- 「どうしてできないのだろう?」
と、嘆かれることも多いです。
そのため、うつ症状などの原因になることもあります。
介護者は、脳血管性認知症の方の症状やケアのポイントをしっかり意識していないと、ご本人のサインを見逃してしまいます。
脳血管性認知症のケアのポイントや注意点
脳血管性認知症の方に対するケアのポイントは、「できない時・できる時」があるという場合「できないことだけ介助する」ということが大切です。
なぜなら、残存機能をできるだけ伸ばしていくことが、脳血管性認知症の進行を防ぐケアのポイントだからです。
脳血管性認知症の方が、普段できていることができない時間が多いときは、脳梗塞などの脳血管疾患が進行しているのかもしれません。
もしくは、脳出血や脳梗塞が新しく起きているのかもしれません。
脳血管性認知症の方は、脳血管疾患が再発したり悪化することも多いので、生活の各場面で注意深く観察し、ちょっとした変化も見逃さないことがケアのポイントです。
毎日のバイタル測定も欠かさないようにしましょう。
また、脳血管障害は「生活習慣病」が原因で起こるものです。
そのため、偏らない食事や適度の運動など普段からの生活習慣への配慮をすることがケアのポイントといえます。
脳血管性認知症は、早期の脳血管疾患の治療とリハビリが症状の進行を抑えることにつながります。
医師の指示に従い、通院や服薬、リハビリを行いましょう。