脳血管性認知症のまだら認知症について
脳血管性認知症に「まだら認知症」と呼ばれる症状があります。
まだら認知症は、症状の名前であって、認知症の種類ではありません。
現れる症状として、麻痺や言語障害が多いと言われていますが、記憶障害、知的能力の低下、めまい、しびれなども現れます。
特に、脳血管性認知症の場合、認知症の症状が現れるものと現れないものがあり、同じ症状でも時間帯によって現れるときと現れないときがあります。
そうした症状を、「まだら認知症」と呼ぶのです。
今回は、脳血管性認知症による「まだら認知症」についてご説明します。
脳血管性認知症によるまだら認知症の症状
脳血管性認知症によるまだら認知症の症状は、一言で言えば記憶が「まだら状態」になるということです。
たとえば、酷(ひど)い物忘れが目立つのに、理解力や判断力は低下してないということがあります。
先ほどの食事のことを忘れてしまっているのに、理解力の必要な難しい話をしても、しっかり受け答えが出来たりします。
又、同じ動作でも、時間帯によって出来るときと出来ないときがあるという事が起きます。
朝、自分で着替えが出来なくて、会話もうまく出来ないのに、夕方になると自分で着替えをして会話も普通に出来ると言うことがあります。
脳血管性認知症は、全体的に症状が進行していくのではなくて、脳の中の各々の部分によって症状にむらが出るのが特徴となっています。
どうして、こういうことが起きるのでしょうか?
一般に、脳血管性認知症の原因は、脳梗塞(こうそく)や脳出血の後に起こるからです。
脳血管の障害がどこで起きたかによって脳のどの部分の障害なのか、どの程度の障害なのかが変わります。
ですから、症状が部分的であったり、軽症の場合や重症の場合や、起きたり起きなかったりして変わると言うことです。
脳血管性認知症による「まだら認知症」の対処方法と注意点
では、脳血管性認知症の「まだら認知症」の症状が出たらどのように対処することが出来るでしょうか。
まず、家族や介護者が、どんな症状が出るかをよく理解することが必要です。
まだら認知症の症状がどのように出るかは、人によって違います。
なので、その人の症状の特徴、種類、頻度、時間帯などを良く知る必要があります。
そしてそれに見合った形で、必要なときに必要なだけ介助をすることが良いと言われています。
これは、残存能力を、長く維持する為に必要なことです。
注意する点として、「まだら認知症」は、表面的に現れない小さな脳梗塞などの血管の障害が起きているときにも現れます。
脳のある部分に血流の異常が起きるとその部分に関係する症状が現れます。
ですから、過去に脳梗塞などの血管障害が見つかっていなくても、「まだら認知症」が現れた場合は「かくれ脳梗塞」の疑いがあります。
その場合は、病院に行って検査するようにしたいものです。
早期発見によって、大きな脳梗塞が起きるのを防ぐことができるかもしれません。