脳血管性認知症のリハビリについて
脳血管性認知症のリハビリには、どのようなことが行われるのでしょうか?
脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症の次に多い認知症と言われています。
脳血管性認知症の症状は、徐々に進行するというよりは、高血圧症や糖尿病が元々あって、動脈硬化が進んで脳卒中を突然発症するという形が多いです。
そのため、ご本人もその周りにいるご家族もとてもショックを受けますので、その点もリハビリを困難にする場合があります。
今回は、そんな脳血管性認知症のリハビリについてご説明します。
脳血管性認知症のリハビリの注意点
脳血管性認知症の方にリハビリを行う場合、その病識(病気であるという意識)がハッキリしているということに注意する必要があります。
生活習慣により徐々に病気は進行していても、認知症の症状としては急激です。
なので、病気自体をなかなか受け入れにくく、うつ状態になりリハビリも進まないという場面がよく見受けられます。
脳血管性認知症のリハビリは、ご本人の自尊心を傷つけないような言葉選びが、とても大切になってきます。
あと、ご家族の方がリハビリをなさる場合は、ご本人から悲観的な言葉がたくさん出てきたり、やる気や活気がなくなりがちですので、ネガティブな感情に引きずられないよう注意してください。
また、脳卒中は死亡原因上位に位置にしており、命を優先する急性期治療に焦点があてられます。
そのため、脳血管性の認知症状が出る事を想定したリハビリや、同じ場所で経過をみる事が困難となるということは覚えておきましょう。
脳血管性認知症のリハビリのコツ
脳血管性認知症になった場合のリハビリの目的は、大きく分けて2つあります。
まず一つ目が、脳卒中の「再発防止」、二つ目が認知症の「進行防止」となります。
ただし、それだけをご本人に伝えても長続きしませんし、逆に辛いと思う方もいることも事実です。
そのため、この2つの意味を持つリハビリをいかに楽しみながら出来るのかということが、脳血管性認知症のリハビリ成功のためのカギとなります。
まず、動脈硬化による脳卒中は男性に多く発症しますが、男性は人の輪の中に入る事をあまり好みません。
(社会性が高い男性ももちろん居ますが・・・)
しかし、目標達成する事に意味を見出せる方が、男性には多い傾向にあります。
そのため「○○を○回出来るようになる」などの目標を立てると、俄然やる気を出して、一人で黙々と訓練してくれるケースが結構あります。
一方、女性の方は人の輪の中で「一緒に何かをする」ことが好きなケースが多いです。
そのため、脳血管性認知症のリハビリでも、コミュニケーションを図りながらの訓練で成果を上げる事があります。
(個人差はもちろんあります)
脳血管性認知症のリハビリは、本人の「楽しみ」と「特性」そしてリハビリの「効果」が上手く合わさる事が理想です。
いつも上手く行くとは限りませんが、上手くいくと信じて、リハビリを続ける事が大事です。
リハビリによる成果は必ず後からついて来ますから。