脳血管性認知症の症状と特徴について
脳血管性認知症の症状と特徴には、どのようなことがあるのでしょうか?
まず、症状や特徴のお話の前に、脳血管性認知症とは、脳の神経細胞が変化して起こる「変性性認知症」とは、まったく違う種類であることを知っておかなければなりません。
脳血管性認知症は、脳梗塞などの疾患や脳挫傷といった「外因要因」で起こる認知症の事を言います。
つまり、他の認知症のように、いつの間にかなってしまうというものではないのです。
脳血管性認知症は、認知症全体の中で約10%程度を占めます。
そのため、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症を合わせて「4大認知症」と呼ばれています。
では、脳血管性認知症の症状の特徴は、変性性認知症と、どう違うのでしょうか?
まず、脳の変性によって引き起こされる認知症は、緩やかに進行して行く特徴があります。
しかし、脳血管性認知症は突然発症し、周囲で見ていてハッキリと分かるほど段階的に進行します。
脳血管性認知症の症状は、脳梗塞やクモ膜下出血になった日をきっかけに始まります。
その後、脳卒中などの発作が起きるたびに悪化して行くのが特徴です。
脳血管性認知症の症状と特徴の代表例
では、脳血管性認知症の症状の特徴をいくつかのタイプに分けてご説明します。
まだら認知症(まだらボケ)
脳血管性認知症の症状と特徴の代表例の一つ目が「まだら認知症」です。
まだら認知症は、脳梗塞などによって壊れた細胞と壊れていない細胞があることで起きる症状です。
細胞の壊れ方に差があるため、障害の受け方も様々で症状が一定せず、まだらに認知症状が現れるのが特徴です。
また、脳の血流によっても左右され、午前と午後の様子が違う事があります。
運動機能障害
脳血管性認知症で起きる運動機能障害の症状としては、手足のしびれ・失語・尿失禁・呂律が回らないなど、運動機能の様々な障害が出ます。
抑うつ状態
抑うつ状態という症状は、特に初期は「出来ない事」「分からない事」の自覚がありますので、自分自身にショックをうけ、うつ状態になる事が多いのが特徴です。
感情失禁
感情失禁は、感情の抑制が出来なくなるため、些細な事で泣いたり、怒ったりする症状です。
脳血管性認知症の症状と特徴への対処法・注意点とは?
では、脳血管性認知症の症状と特徴への対処法・注意点について、ご説明します。
まず、脳血管性認知症の症状の特徴である「まだら症状」の理解をすることが大切です。
まだら症状の場合、しっかりした部分とそうではない部分が混在しますので、ケアを行う方がイライラします。
しかし、これが脳血管性認知症の症状の特徴であると理解することが大切なのです。
そして、落ち着いた冷静な対応を行う事で、ケアされる方の混乱を最小限にする事が出来ます。
2つ目に、一人にさせないということです。
脳血管性認知症という病気は、ご本人に症状の受け入れが、まず出来ていません。
ですので、一人の時間を多くする事でドンドンとネガティブな思考になってしまいます。
そのため、共感的態度で一緒に病気や障害を乗り越えるという接し方が重要になります。
脳血管性認知症は、脳の外因的要素を受け発症する認知症です。
常日頃から、脳梗塞や脳出血を起こさないためにも、日常生活を見直す事をしてみてはいかがでしょうか。