脳血管性認知症のアパシー(意欲低下)について
脳血管性認知症になった方にアパシーという症状が現れることがあります。
アパシーとは「意欲低下」のことを現します。
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で起こる症状です。
脳血管障害が起きている部位や程度によって症状もいろいろで、日によって同じことができたりできなかったりします。
そんな脳血管性認知症の症状の一つに、アパシーがあるのです。
ここでは、脳血管性認知症の症状として現れるアパシーについてご説明します。
脳血管性認知症でアパシーが現れる症状は?
脳血管性認知症によるアパシーの症状は、どのようにして現れるのでしょうか?
脳血管性認知症では、意識レベルが日によって波があるため、一日ぼーっとしている日もあれば、しっかり受け答えができる日もあります。
そんな中で、脳血管性認知症は、段階的に症状が進みます。
歩行状態が悪くなったり、言語障害があったりと身体的な機能低下がおきることが多いです。
そして、アパシーと言われる「意欲低下」が目立つようになって行きます。
脳血管性認知症の方は、閉じこもりがちになって自発性や意欲が著しく低下し、無気力で何もする気が起きない状態が続くことがあります。
一見、うつ病と見分けが難しいですが、この症状がアパシーです。
アパシーは、意欲の低下が顕著に現れます。
脳血管障害によるうつ状態に合併することが多いため、うつ状態の症状の一つだとみなされることも多いようです。
アパシー(意欲低下)が長期にわたって続くと、脳血管性認知症の認知機能低下につながると言われています。
脳血管性認知症のアパシーには、どう対処する?
脳血管障害を起こした方のアパシーは、早期に気づいて対処することによって、脳血管性認知症の進行を抑えることにつながります。
意欲低下が顕著なときには、アパシーを疑った方が良いかも知れません。
その場合、医師との連携のもと、投薬での治療を進めていくことで脳血管性認知症の予防になります。
介護者は、普段から脳血管障害後の利用者さんに、意欲低下がないかどうかよく観察しておく必要があります。
アパシーへの認識が介護者の気づきにつながり、利用者さんの脳血管性認知症の予防になります。
脳血管性認知症の原因になる脳血管障害は、生活習慣や食生活が原因で発症することが多いと言われています(生活習慣病)。
脳血管性認知症やアパシーの予防のためには、生活習慣病にならないように、普段から規則正しい生活を心がけましょう。
3食きちんと食べることはもちろん、適度な運動も取り入れることは、アパシーの予防のためにはとても大切です。
周りの環境などにも配慮して、不安やストレスをためない生活を送れるようにしましょう。
生活にメリハリをつけることは、脳血管障害や認知症だけでなく、他の生活習慣病の予防や進行の抑制にもなるのです。