脳血管性認知症の痙攣発作(けいれんほっさ)について
脳血管性認知症の原因である脳梗塞や脳出血を起こした方は、痙攣発作(けいれんほっさ)の出現する頻度が高いと言われています。
きっと介護者の方は、突然の痙攣発作に驚かれることも多いと思います。
また、介護者の方は、痙攣発作は脳血管性認知症の特徴の一つであることも理解する必要があるでしょう。
ここでは、脳血管性認知症の痙攣発作についてご説明します。
脳血管性認知症の痙攣発作(けいれんほっさ)の症状は?
脳血管性認知症による痙攣発作には、どのような症状が現れるのでしょうか?
まず、脳血管障害を起こした方の約50~70%の方が、そののち痙攣発作を起こすと言われています。
脳血管性認知症の方の症状として、ガタガタ震えるような大発作でなくても、痙攣発作の場合がありますので注意が必要です。
たとえば、唇をぴくぴくさせたり、目の焦点が定まらなかったり、普段と違う行動をするときや奇声を発するときなども、痙攣発作の可能性があります。
高齢者の痙攣発作は、何の前兆もないときが多いです。
発作後に、意識がもうろうとした状態が長く続くこともあります。
見逃されることも多いので、脳血管性認知症の方がそのような状態になったときは、速やかに病院受診をした方がよいでしょう。
脳波の検査で診断できます。
脳血管性認知症の痙攣発作(けいれんほっさ)への対処法は?
脳血管性認知症の痙攣発作には、どのように対処すれば良いのでしょうか?
まず、介護者は、脳血管性認知症の方が痙攣発作を起こすかもしれないことへの認識が必要です。
薬の内服を忘れないことや、バイタルサインのチェックによって、予防ができるかもしれません。
また、普段から脳血管性認知症の方の様子の観察をこまめにすることで、痙攣発作を見逃さずにすむかもしれません。
脳血管性認知症の痙攣発作への知識が、痙攣発作時の対応の速さにつながります。
脳血管性認知症の場合、痙攣発作を起こしたときは、食事中であれば誤嚥の危険性があります。
その場合、気管に食べ物が入らないように横向きに寝かせましょう。
残渣物があれば、取り除いた方がよいです。
義歯なども、外せるのであれば外しましょう。
嘔吐する場合もありますので、洗面器などの用意も必要です。
脳血管性認知症の方が痙攣発作を起こす前に、もし前兆があれば、転倒を防ぐため周囲の危険な物を取り除き、座るか横になれるようにしてあげましょう。
痙攣発作のときは、ゆすったり押さえつけたりすると、痙攣発作の症状が長引くこともあります。
ですから、静かに横にねせて、自然と痙攣発作が治まるのを待ちましょう。
脳血管性認知症の痙攣発作は、症状の見分けが難しい場合が多いです。
そのため、小さな発作なのか、脳梗塞や脳出血が再発しているのかどうかの判別がなかなかできません。
いつもと違う症状のときは、医師の指示を仰ぎましょう。
長く痙攣発作が続く場合は、救急車を呼びましょう。
慌てず冷静に対応することが大切です。