脳血管性認知症で「怒る」という症状について
脳血管性認知症の方は、よく怒ることがあります。
それも、何もないのにいきなり怒ることや、周りの人がなぜ怒るのかが分からないというようなことも、しばしばあります。
それが、介護者の方を迷わせる要因ともなるため、脳血管性認知症の方が怒ることは見過ごせない症状の一つと言えます。
ここでは、脳血管性認知症の方が怒ることについてご説明します。
脳血管性認知症で「怒る」という症状が現れる原因は?
脳血管性認知症の方が「怒る」というその原因はどこにあるのでしょうか?
脳血管性認知症の方は、認知機能面によって「できる時」もあれば、「できない時」もあります。
また、認知症状はでているのに、理解力がある・・・というようなこともあります。
そういったときに家族は、脳血管性認知症の方が、家族をこまらせようとしていると思えることがあります。
そのため、介助の仕方に迷ったり、言葉のかけ方が冷たくなってしまうかも知れません。
すると、脳血管性認知症の方は、怒ったり暴力をふるったりという行動に出ることが起きるのです。
つまり、脳血管性認知症の方が怒るのには理由があるのです。
また、脳血管性認知症になって怒るときは、認知症状を自覚されているため不安になっていることが原因の場合もあります。
そのため、家族や介護者は、脳血管性認知症の方に出現する「まだら認知症」について理解が必要となります。
まだら認知症とは、認知症の症状が現れたり、現れなかったりする状態のことですね。
また、更衣するときや車椅子から移乗するときなどに声かけが少なかったり、いきなり後ろから介助したりすることで、脳血管性認知症の方は驚かれ、怒ることがあります。
脳血管性認知症になると、介護者の声かけの仕方や、声の抑揚ひとつで敏感に反応されることも多いです。
そのために、介助拒否につながることもありますので、注意したいところです。
施設やデイサービスなどでは、脳血管性認知症の方が怒ることが増えるため、他の利用者さんとのトラブルにつながることもあります。
ご家族や介護者の方は、キチンとその辺を理解してサポートにあたる必要があります。
脳血管性認知症で「怒る」ことへの対処法は?
脳血管性認知症の方が、いきなり怒るという場合には、どのように対処すれば良いのでしょうか?
脳血管性認知症の方は、一日の中でも状態の変動があり、ご本人の感情面での不安定さもでてくるため、怒ることが多くなります。
そこで、家族や介護者は、感情的にならずゆっくりと会話をしたり介助することが必要です。
脳血管性認知症によって怒る症状、興奮状態にあるときなどは、少し距離を置いて見守ることも大切です。
介助の無理強いは余計に感情的にさせてしまいます。
また、施設などでは、介護者を別の人に代わってみることもよいかもしれません。
人が代わると、スッと機嫌がよくなることもあるからです。
また、脳血管性認知症の方は、怒るときや機嫌の悪いときには、体調不良も考えられます。
もともと脳血管障害からの認知症であるため、脳梗塞や脳出血のあらたな発症や再発の可能性もあります。
そんなときには、バイタルチェックも行いましょう。
普段から、排便の状態や食欲低下がないかどうかなどの観察も必要です。
脳血管性認知症の方がいつもと違う状態のときは、医師に相談し、受診するようにしましょう。