アルツハイマー型認知症と痙攣(けいれん)の関係性について
アルツハイマー型認知症の介護をされている方の中で、痙攣(けいれん)の現場を経験されている方はいらっしゃいますか?
アルツハイマー型認知症の後期になると、筋肉の異常な緊張と痙攣発作がみられることがあります。
突然起きる痙攣発作に対しては、とても驚かれる介護者の方もいらっしゃることでしょう。
ここでは、アルツハイマー型認知症と痙攣の関係性についてご説明します。
アルツハイマー型認知症の痙攣はナゼ起きる?
アルツハイマー型認知症の痙攣発作は、どうして起きるのでしょうか?
それは、アルツハイマー型認知症による「脳神経細胞の変性」が異常な放電をもたらし、痙攣発作をおこしていると言われています。
アルツハイマー型認知症では、約20パーセント前後の方に、痙攣発作の症状が現れると言われています。
もちろん、一時的な発作であれば、薬の服用での対応ということで問題はないでしょう。
しかし、痙攣が長時間続くような重責発作の場合は、脳の低酸素状態へとつながるため、注意が必要です。
痙攣は、大発作でなくても「ぴくつき」や一瞬の「意識喪失」など、見逃しがちな症状の場合もあります。
ですから、アルツハイマー型認知症の方が痙攣発作を起こす可能性があるということは、常に認識しておきましょう。
アルツハイマー型認知症の痙攣に対する対処は?
アルツハイマー型認知症の方が痙攣発作をおこしたとき、多くの場合は、15秒ほどで治まります。
しかし、痙攣発作が30秒を超えた時には、速やかに救急車を呼びましょう。
また、アルツハイマー型認知症の方が痙攣発作を起こしたとき、介護者の方が驚いて身体を押さえつけてしまうことがあります。
しかし、押さえつけることは絶対に止めましょう。
なぜなら、その刺激によって痙攣発作を長引かせてしまう可能性があるからです。
そして、痙攣発作をアルツハイマー型認知症の方が起こしたとき、食後であれば、嘔吐することも考えられます。
その場合は、まずは寝かせた状態で頭を横に向け、嘔吐物が気管支に入らないように十分に気をつけましょう。
その判断を誤ると、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)になる恐れがあるからです。
アルツハイマー型認知症の方は、痙攣発作を繰り返すことが多いです。
ですから、痙攣発作を起こした当日は、大事を取って外出を控えた方が良いでしょう。
また、転倒や打撲を避けるため、周囲の環境整備を行うことも大切です。
アルツハイマー型認知症の方が痙攣発作を起こしたときは、速やかに主治医に相談し、「抗てんかん薬」の服用をしましょう。
多くの場合は、服用によって再発が防げますので覚えておいてください。