アルツハイマー型認知症の怒りっぽいという症状について
アルツハイマー型認知症の特徴的な症状として、怒りっぽいことがあげられます。
アルツハイマー型認知症の方は、やたらとまわりにあたったりと、怒りっぽい。
そのせいで、施設では他の利用者さんとの関係が気まずくなることもしばしばです。
ここでは、アルツハイマー型認知症の方が怒りっぽいことについて、その原因や対処法についてご説明します。
アルツハイマー型認知症で怒りっぽいのはナゼ?
アルツハイマー型認知症の方は、早くから人格に変化が見られることもあり、些細な事でも怒りっぽくなります。
在宅では、家族が手に負えない状態になる場合もあります。
トイレや入浴の声かけにも、日によっては穏やかな表情で行えるときもありますが、一旦機嫌を損ねて、怒りっぽい状態が出現してしまうと拒否が激しくなります。
アルツハイマー型認知症の方は拒否がひどいと、家族や職員を叩いたり、つねったり、物を投げたりもします。
アルツハイマー型認知症の方は、環境の変化に敏感です。
介護者の言葉の抑揚や声かけの仕方一つで、怒りっぽい状態になることがあります。
アルツハイマー型認知症の方は、介護者が急いでいたり、忙しかったりするのを感じ取ると、イライラして怒りっぽい状態になると、現場では感じます。
アルツハイマー型認知症で怒りっぽいことへの対策や注意点は?
アルツハイマー型認知症で怒りっぽい状態になるとき、その対処はどのようにすれば良いのでしょうか?
一つの方法として、まわりの環境を、静かで穏やかな雰囲気に保つのことも必要だと思います。
気ぜわしい雰囲気の中では、余計に怒りっぽくなります。
アルツハイマー認知症では、怒りっぽい状態から介護拒否や暴言、暴力にまで発展することもあります。
そういう時は、やはり医師の診断を受け、投薬治療の必要もあると思われます。
漢方薬を服用されて、落ち着いたと言われる方もいらっしゃいます。
アルツハイマー型認知症では、初期の方に怒りっぽい状態になることが多いように思います。
私の母もそうでしたが、アルツハイマー型認知症の進行とともに、怒っていた理由も忘れるのか、徐々に穏やかになってきます。
多幸症や多幸感という言葉がありますが、アルツハイマー型認知症の方は、怒りっぽい時期を過ぎれば、老いとともに、多幸感を味わい、老いや死に対する不安も少なくなっていくのではないでしょうか?
私の母は、怒りっぽい時期を超えて、今は幸せそうに笑って過ごしています。
時に怒ることがあっても、昔の話をするとそれだけで機嫌が直ります。
少なくとも、以前のような不安そうな表情は減りました。
若い人でも怒りっぽい人はいます。
アルツハイマー型認知症の方も、一緒です。
あまり病的に考えないというような、介護者の気持ちの寛容さも必要なのだと思います。