アルツハイマー型認知症で嚥下障害(えんげしょうがい)が起きる?
アルツハイマー型認知症の方には、嚥下障害(えんげしょうがい)という症状が稀に現れることがあります。
アルツハイマー型認知症は、物忘れ、記憶力の低下等、認知機能の低下は起こります。
しかし、重度になるまでは身体機能はほとんど低下しません。
脳のダメージを受ける部位によるものだからです。
ですので、アルツハイマー型認知症の方にはほとんど嚥下障害はみられません。
ただ、食事場面を認識できずになかなか食べ始めないことや、食べ物をうまく喉へ送り込めないことはあります。
ここでは、そんなアルツハイマー型認知症の嚥下障害についてご説明します。
アルツハイマー型認知症で嚥下障害が起きるときとは?
アルツハイマー型認知症では嚥下障害がほとんど見られないというのは前述しました。
しかし、中期以降のアルツハイマー型認知症の方は、脳の萎縮も進行するため、様々な摂食・嚥下障害がみられるようになります。
たとえば、異食(食べ物でない物を食べる)や、箸が使えず手で食べる、他人のものを食べる等です。
また、アルツハイマー型認知症の方は、自分の舌や口、顎がどこにあるのかわからなくなるため、食事を自ら送りこめなくなると言われています。
そうなると、嚥下障害もでてきますので、アルツハイマー型認知症の方への直接的な食事介助が必要になってきます。
食事介助のスピードやタイミングが、誤嚥(ごえん)につながることもありますので気をつけたいところです。
アルツハイマー型認知症の嚥下障害にはどう対処すれば良いか?
アルツハイマー型認知症の方の嚥下障害は、初期のころではほとんどみられません。
そのため、直接的な食事介助は必要ないことが多いですが、嚥下障害を防ぐためには、食事の際は、むやみに話しかけない方がいいでしょう。
お話していて、誤嚥してしまうこともあり得ますし、集中力の低下による食事の中断もあり得るからです。
アルツハイマー型認知症が進行すると、身体機能の低下により、食事中に立ち去ることもなくなります。
そんな身体機能とともに嚥下機能も低下してくるため、嚥下障害も時折みられるようになります。
介護者の方は、食べ物の「送り込み不良」から誤嚥、窒息とならないよう注意しなければなりません。
そして、アルツハイマー型認知症の末期は、意識レベルが低下し傾眠状態が増え、嚥下障害もでてきます。
アルツハイマー型認知症の方への食事介助は、声かけをし、頸部を前屈して嚥下筋力が働きやすくする必要があるかも知れません。
また、介助のスピードやタイミング、量などをその方にあわせるといった工夫が必要です。