アルツハイマー型認知症の感情失禁について
アルツハイマー型認知症の方は、感情のコントロールがうまくできなくなります。
そのために、感情失禁を起こしてしまうことがよくあります。
アルツハイマー型認知症の方は、些細な事で急に怒り出したり、または泣き出したりすることが多く、これが感情失禁というものです。
思わず介護者も感情的になることがあります。
でも、それは、この後の私の失敗体験を読んでいただければ、やるべきでないことがお分かりいただけるでしょう。
ここでは、アルツハイマー型認知症の感情失禁についてご説明したいと思います。
アルツハイマー型認知症の感情失禁~私の体験~
アルツハイマー型認知症の感情失禁に対して、私もいろいろな経験をしたことがあります。
たとえば、施設等でアルツハイマー型認知症の方が感情失禁したときは、まわりの方がとても驚かれます。
同じアルツハイマー型認知症の方がそばにいらっしゃるときは、その方たちもつられて不穏状態になったります。
そして、同じように感情失禁がでたりと、その場が混乱してしまうことがよくありました。
アルツハイマー型認知症の方が感情失禁をおこしやすいのは、初期のころでは「自分が情けない。忘れてばかりで。」といった心の葛藤からのこともあります。
アルツハイマー型認知症になったとは言っても、まだ意識がハッキリとしているため、自尊心による感情失禁が多くなるためだと感じます。
また、まわりの人の関わり方によって、感情失禁が現れることもあります。
私の母は、あまりに「帰る、帰る」と繰り返すので、家族もイライラしてしまい、「ここが家よ。何回も言ってるのに。」と強くいうと、感情失禁がおこりました。
そうして、わめいたり、物を投げたり家族をつねって出ていくこともありました。
あのときは、アルツハイマー型認知症の感情失禁に対しては、もっと冷静に対処しなければならないと反省しました。
アルツハイマー型認知症の感情失禁への対応はどうするの?
アルツハイマー型認知症の方が感情失禁を起こしているときの対応として、上記での私の母への対応はとても悪い例です。
アルツハイマー型認知症の人が、今いるところがどこなのかわからずに、不安になっているのに、見ている家族が感情的になって強い言葉で遮りました。
そのことによって、感情失禁がおきたのです。
アルツハイマー型認知症の方が不安な気持ちを抑えきれずに感情失禁をおこしたときは、相手の気持ちを察して話に耳を傾けることが大切です。
ご本人の気持ちが、ゆっくりと落ち着くまでそばにいてあげて、穏やかな口調で話しかけることを心がけることが、なによりも必要なことなのです。
アルツハイマー型認知症の方が「帰る」と何回もいうときは、一緒に外に出てみるのもいいでしょう。
感情失禁が出る前に、対応できることはあるはずです。
私たち家族は、あのときの母の感情失禁から学ぶことができました。