アルツハイマー型認知症の症状と幻視・妄想とは?
アルツハイマー型認知症の症状と幻視・妄想については、どのように考えれば良いのでしょうか?
アルツハイマー型認知症の初期には、幻覚(幻視)の頻度は低いです。
それよりも、妄想の方が高頻度で現われ、中期以降には幻覚が増えて来ます。
老年期認知症の約30~40%に、何らかの幻覚(幻視・幻聴)や妄想がみられると言われています。
ここでは、アルツハイマー型認知症の症状と幻視についてご説明します。
アルツハイマー型認知症の症状と幻視・妄想をくわしく
アルツハイマー型認知症の症状と幻視・妄想について詳しくご説明しましょう。
- 幻覚 = 全く何もない所に見えてしまう・聞こえてしまう。
- 錯覚 = そこにある物が違う物に見えてしまう。
- 妄想 = 思い込みでそう感じてしまう。(訂正出来ない観念)
アルツハイマー型認知症の場合には、初期~中期に現れる妄想が、周囲の人を悩ませる症状の一つとなります。
その中で1番多い妄想が、物盗られ妄想です。
続いて、「被害妄想」「嫉妬妄想」と、ネガティブな妄想が多いです。
アルツハイマー型認知症は、精神疾患にみられる「誇大妄想」や、「血統妄想」は、ほとんど現れないのが特徴です。
アルツハイマー型認知症患者の幻視・妄想への対処法・注意点
アルツハイマー型認知症の一つである幻視や妄想について、どう対応するのが良いのでしょうか?
これは、周囲で介護をする方が悩まれる所でもあります。
「幻視・幻聴」
幻視でよくあるのが、「(亡くなった)人が来た」とか、「小さな子供があそこにいる」「虫がいる」「蛇がいる」などの訴えです。
それを、「そんな事はない」と否定しても、本人にとっては「見える」し「聞こえる」のです。
いくら説明しても、理解はしてもらえません。
ご本人が納得出来ないどころか、関係性まで壊れてしまう結果となります。
否定をしても口論になるだけなので、説得はやめた方が賢明です。
幻視や幻聴があった場合には、それを認めて、その人が安心できる言葉と態度で対応する方が良いです。
「大丈夫、安心して。私がいるから」と言ったり、怖がっている時には退治をするような態度で表現すると納得して頂ける事が多いです。
「妄想」
妄想は、訂正の出来ないネガティブな思い込みです。
なので、一旦はその妄想が起きていることを認め、どうしたら楽になれるのかを「一緒に考える」という姿勢と言葉をかけることです。
つまり、まずは「あなたの味方です」と安心感を得られるところから始めましょう。