アルツハイマー型認知症の初期症状について
アルツハイマー型認知症の初期症状には、どのようなことがあるのでしょうか?
アルツハイマー型認知症は、認知症全体の55%を占めています。
初期症状からβアミロイドという蛋白質が蓄積し、脳の神経細胞を変化・脱落させ、脳の萎縮を進行させるのがアルツハイマー型認知症です。
簡単に言いますと、歳を取ると顔などにシミが出来るように、アルツハイマー型認知症は、脳にも「老人班」といわれるシミが出来てしまうという事です。
同じ条件下にいても、顔にシミが出来る人と出来ない人がいるように、脳内にシミが出来る人と出来ない人がいます。
アルツハイマー型認知症の原因は未だにはっきりとはしていませんので、完治させる特効薬や治療薬は出ていません。
ただし、初期症状を早期発見する事で、その段階から進行を遅らせる事が可能となって来ました。
ですので、「もしかしたら?」と思われるような初期症状が現れた時には、認知症専門外来を受診して下さい。
アルツハイマー型認知症の初期症状について
アルツハイマー型認知症の初期症状について詳しく見ていきましょう。
アルツハイマー型認知症は、緩やかに進行して行きます。
ですから、いつもそばにいるご家族でさえ、発症の時期(初期症状)を明確に覚えていません。
「最近そう言えば・・・」
「1~2年前から・・・」
という様な話から、切り出される事が多いのです。
アルツハイマー型認知症の初期症状としては、以下のようなことが挙げられます。
- 軽く人格の変化が現われます(頑固になった・怒りっぽくなった等)
- 短期記憶が低下します(直近の事が一番覚えれない・今日の日にちが分からない)
- 夕方から夜にかけて、そわそわと落ち着きがなくなる(帰宅願望・不穏など)
いずれにしても、初期症状は気づきにくいので、見逃さないように意識する必要があります。
アルツハイマー型認知症の初期症状に対して出来る対処法・注意点
アルツハイマー型認知症の初期症状で、人格変化が現われた時
アルツハイマー型認知症が発症した方も、初期症状の頃は「自分はおかしくなった」と自覚しています。
しかし、うまく表現出来なかったり、そんな自分が嫌になったりと、自己葛藤しています。
その結果として、アルツハイマー型認知症の初期は、「頑固」「易怒性」自己嫌悪から「うつ」「不眠」などが出て来ます。
ですので、本人と口論するような事はせず、肯定的態度で対応する必要があります。
短期記銘力が低下した時
アルツハイマー型認知症は、覚えていられない病気ですので、何度同じ事を聞かれても、短い言葉で毎回返答して下さい。
さっき聞いた事も忘れていますから、本人にとっては、いつも今日初めて聞いた質問です。
「だ・か・ら、さっき言ったしょ!?何回いわせるのさ!!」なんて不要な長文はやめて、「○月○日です」と短い言葉で返して下さい。
また、ソワソワと落ち着きがなくなった時などもありますが、諦めてお付き合いしてあげて下さい。
本人にとっては、とにかく不安でしかないのですから。