レビー小体型認知症の嘔吐(おうと)症状とその原因について
レビー小体型認知症をはじめとする認知症の方には、時に吐き気をもよおしたり、嘔吐をしてしまう方がいらっしゃいます。
もちろん、レビー小体型認知症でなくても、食当たりや胃腸の調子などで、嘔吐をしてしまうこともあるでしょう。
しかし、特に、レビー小体型認知症の方に起きやすい嘔吐の原因も存在するのです。
そこで今回は、レビー小体型認知症の方が嘔吐をした際に考えられる原因と、嘔吐の症状を述べたいと思います。
レビー小体型認知症で嘔吐してしまう原因は?
レビー小体型認知症で嘔吐してしまう原因には、どんなことが考えられるでしょうか?
まず、レビー小体型認知症をはじめとする認知症の方は、「コリンエステラーゼ阻害薬」という認知症に対する薬を服用することが多いです。
この薬は、認知症の中核症状(物忘れ)の進行を防止するためのお薬です。
医者から処方される薬名としては、「アリセプト」「レミニール」と呼ばれるものがこれに当たります。
しかし、「コリンエステラーゼ阻害薬」には、副作用として吐き気や嘔吐といった症状があります。
もちろん、同じレビー小体型認知症の薬を服用しても、副作用は人によって出る方と出ない方がいらっしゃいます。
また、薬による副作用の重さも人によってかなりバラツキがあります。
しかし、服薬をし始めてから嘔吐が増えたり、吐き気を訴える、食欲がないなどの症状が現れた場合は、薬の副作用を疑っても良いでしょう。
レビー小体型認知症の嘔吐の注意点と対策
レビー小体型認知症で嘔吐してしまう場合の、注意と対策点についてご説明しましょう。
まず、レビー小体型認知症の方は「自律神経症状」といって、血圧の変動が大きく注意が必要な場合があります。
また、一般的に嘔吐時は血圧が上昇し、嘔吐後は一時的に血圧が低下します。
上記の薬の服用などで嘔吐したり、吐き気をもよおした際には、レビー小体型認知症の方はとくに血圧の急な変動に注意してください。
また、レビー小体型認知症の方は「嗅覚障害」によって匂いを感じにくくなったり、嚥下障害により食物の飲み込みが悪くなることもあります。
そのため、食欲の低下を防ぐような対策を行ったり、健康状態を保つことはとても重要です。
レビー小体型認知症の人が嘔吐や吐き気によって食欲が低下すると、栄養状態が悪化し、体力の低下や認知症の進行をはやくすることにもなりかねません。
よって、嘔吐などの症状や食欲不振が見られた際は、その旨をかかりつけ医に相談し、早めに薬の調整をしてもらいましょう。
レビー小体型認知症の嘔吐に対しても、やはり早めの対処が重要なのです。