レビー小体型認知症による常同行動について
あなたは、「常同行動」という言葉をご存知ですか?
この症状は、レビー小体型認知症にも多く見られる症状です。
常同行動とは、意味のない、ある決まった動きを繰り返す症状(常に同じ行動をする)のことを現します。
ここでは、レビー小体型認知症の方によく見られる「常同行動」の原因や対処法についてご説明します。
レビー小体型認知症による常同行動の症状は?
レビー小体型認知症による常同行動の症状には、どのようなことがあるのでしょうか?
例えば、レビー小体型認知症になった方が、
- ティッシュを繰り返し破り続ける
- 机をトントンたたき続ける
- 家の中を決まったコースで徘徊する
など、目的や意味を伴わない行動を延々と行います。
常同行動の原因は、脳の行動を司る部分である「前頭葉」の異常によるとされています。
よって、レビー小体型認知症の方だけではなく、アルツハイマー型認知症や前頭側頭型認知症の方にも見られる症状です。
常同行動は、意味のない動きのみではなく、意味のない言葉を繰り返し言ったり、好き嫌いに関わらず同じものしか食べないなど、多種多様な行動として現れます。
ただし、レビー小体型認知症では、他の認知症とは異なり、パーキンソン症状という運動障害の症状も現れることが多いです。
そのため、この症状により指先を薬を丸めるように動かしたり、手足が一定のリズムで震えたりする症状が現れることがありますが、これらは常同行動とは異なります。
レビー小体型認知症による常同行動への対応と注意点
レビー小体型認知症による常同行動は、その行動自体に意味をなさないものであり、場合によっては周りに迷惑をかけてしまうような行動もあります。
前述したティッシュを破りテーブルの上を散らかしたり、机を叩いて騒音を出す等は、はたから見たら、行動をやめるように注意したいと思うことでしょう。
しかし、レビー小体型認知症の方に、そんな常同行動をやめるように注意をしても、おさまる事はあまりありません。
それどころか、本人を混乱させてしまうことに繋がるため、無理に行動を静止することはやめましょう。
また、レビー小体型認知症では、他の認知症と比べて、歩行障害(最初の一歩目がなかなか踏み出せない・前のめりに突進するような歩行となる)が目立つことが多いです。
そのため、歩行に関わる常同行動は危険があります。
ですから、介護者ができることとして、家の中であれば、歩行障害の重さに応じて、段差をなくしたり、絨毯など滑るものは敷かない等の工夫をしましょう。
レビー小体型認知症の方が家の外に出てしまう場合は、ケアマネージャーなどに相談することをおススメします。
常同行動に関しては、家族だけで抱え込まず、できる限り地域の目で見守るように体制を整えることが理想です。