レビー小体型認知症による「うつ病」について
レビー小体型認知症では、しばしば「うつ病」を発症してしまうことがあります。
また、レビー小体型認知症の初期症状として、ぼんやりとしたり、気分が落ち込んでしまったり、塞ぎ込んでしまうといった症状も現れます。
そのため、レビー小体型認知症そのものが「うつ病」と間違われてしまうことさえあるのです。
ここでは、レビー小体型認知症と「うつ病」との関係についてご説明します。
レビー小体型認知症でうつ病になる原因は?
このレビー小体型認知症による「うつ病」のような症状には原因があります。
それは、認知症による脳の機能的な問題により、思考が進みにくくなってしまったり、思考自体は問題がなくても、思考を言葉にする段階でうまく言葉に表すことが難しくなってしまうのです。
また、レビー小体型認知症になってしまったことで、本当に「うつ病」を発症してしまうケースもあります。
このケースでは、レビー小体型認知症になってしまったことで、失敗することや馬鹿にされていると感じることが増えてしまい、結果的にうつ病に発展してしまうのです。
認知症の方は、記憶力が衰えていても、嫌な思いをした・失敗して恥ずかしい思いをしたなどの、負の感情は覚えていることが多いとされています。
それらの感情が積み重なり、うつ病を発症します。
レビー小体型認知症による「うつ病」への対策と注意点
まずは、うつのような症状が、レビー小体型認知症による脳の機能的な変化によるものなのが、本当にうつ病を発症しているのかの区別が必要です。
これらの判断は、主治医や心療内科に相談してみると良いでしょう。
一般の方が判別するポイントは、
- ぼんやりとしている
- 落ち込んでいる
- 口数が少ない
などの抑うつ的な症状が、いつ・どれくらいの長さで出現するか、または伴って現れる症状はどの様なものかです。
レビー小体型認知症による脳の変化が原因であれば、ぼんやりとしているという抑うつ症状に加え、行動や話し方もゆっくりとぎこちなくなります。
また、抑うつ的な症状が、いきなり現れたり消えたりするのも、レビー小体型認知症の脳の機能的な変化によるものです。
それに比べて、うつ病では、抑うつ的な症状は1日中出現し、行動や話し方は比較的病前と変わらないことがあると言われています。
では、抑うつ的なレビー小体型認知症患者に対し、私達はどの様に対応すれば良いのでしょう?
まずは、レビー小体型認知症になったご本人を責めないことが大切です。
行動や話し方がゆっくりになってしまっても、その人の思いや考えはきちんと持っています。
ぼんやりしていることを責めるのではなく、言葉が出るまで、行動するまでゆっくり待ちましょう。
そして、反応が得られた時には、できる限り褒めたり、受容するような態度で接しましょう。