レビー小体型認知症への作業療法について
レビー小体型認知症の患者さんに対して作業療法という療法が用いられることがあります。
ところで「作業療法」という言葉をご存知でしょうか?
レビー小体型認知症に用いられる作業療法とは、リハビリテーションの一種です。
作業療法士という専門の資格を持った人が行うものです。
病院や施設、また現在では家に訪問してお家の中で作業療法を行うこともあります。
ここでは、レビー小体型認知症の作業療法についてご説明します。
レビー小体型認知症の作業療法の実際
レビー小体型認知症の方に対する作業療法とは、実際どのようにして行うのでしょうか?
レビー小体型認知症の方への作業療法とは、認知症の症状に対する作業療法と、パーキンソン症状に対する作業療法の2種類に分けられます。
認知症状に対するリハビリテーションとしては、まず「見当識」と呼ばれる日付や場所の感覚を忘れないためのレクリエーション等が行われます。
また、レビー小体型認知症の周辺症状と呼ばれる不安や易怒性(いどせい)、妄想などを落ち着かせるための作業を行います。
内容としては、レビー小体型認知症の方が昔得意だったことや興味の強いもの等を作業療法として行います。
もう一つのパーキンソン症状に対する作業療法としては、以下のような内容です。
たとえば、嚥下障害が見られる際には、食事の環境(その方に合った机や食器など)を調整し、食事動作を行いやすくするための援助をします。
このように、レビー小体型認知症の作業療法は2種類の方法が取られることとなります。
レビー小体型認知症の作業療法の効果的なやり方や注意点
レビー小体型認知症に対する作業療法を効果的に行うためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
レビー小体型認知症に対しての作業療法は、上記以外にもパーキンソン症状として見られる筋肉の強張りや動きづらさを緩和するための運動等も実施します。
この作業療法は、比較的ご家族の方でも行いやすいリハビリテーションと言えるでしょう。
具体的なやり方としては、ご家族が、本人の肩や股関節などの大きな関節を動く範囲で動かす「関節可動域訓練」や、「背筋を伸ばす体操」などです。
関節可動域訓練は、横になったリラックスした姿勢で、レビー小体型認知症の方が痛くない範囲で行いましょう。
朝晩など一日2セットほど、1セット10回程度、ゆっくりとストレッチしてあげるように動かしましょう。
身体の持つ位置や具体的な方法は、インターネット上にもたくさん載っているので、参考にしてみてください。
また、普段行なっている方も多い散歩も、レビー小体型認知症の方にとっては立派な作業療法の一つです。
散歩をしている時に、季節の花や景色に注意を向けるように声をかけてみたり、あえて違う道順を通ってみたりして見ましょう。
また、歩く能力に問題がない方は、しりとりをしながら歩くことも、レビー小体型認知症の認知機能の低下を防止する有効な方法のひとつです。