レビー小体型認知症の嗅覚障害について
レビー小体型認知症による嗅覚障害という症状をご存知でしょうか?
言うまでもありませんが、私たちには、匂いを嗅ぎとる「嗅覚」という感覚があります。
レビー小体型認知症では、この嗅覚が通常と比べておかしくなってしまう「嗅覚障害」を発症することが多いとされています。
ここでは、レビー小体型認知症による嗅覚障害についてご説明します。
レビー小体型認知症で嗅覚障害が起きる原因
レビー小体型認知症による嗅覚障害が起きる原因とは、一体なんでしょうか?
嗅覚障害は、レビー小体型認知症の比較的初期の段階で見られる症状です。
レビー小体型認知症による嗅覚障害では、だんだんと匂いを嗅ぐ力が弱くなります。
そして、それが進行すると、しまいには匂いがわからなくなってしまう「嗅覚脱失」という状態に陥ってしまうと言われています。
嗅覚障害の原因は、レビー小体型認知症を発症する原因である「レビー小体」という物質(異常なタンパク質)にあります。
このレビー小体が、脳の嗅覚を司る部分に早い段階から沈着し、匂いの感覚が脳に上手く伝達されなくなってしまうためとされています。
レビー小体型認知症による嗅覚障害への対応と注意点
レビー小体型認知症による嗅覚障害に対しては、どのような対応が必要で、注意点はなんでしょうか?
まず、レビー小体型認知症の方が「最近鼻が効かないな、匂いを感じにくいな」と感じた際には、早めに病院を受診しましょう。
現在、医療の世界では、嗅覚と様々な疾病の関係の研究がなされています。
また、レビー小体型認知症による嗅覚障害は、認知症を発症する約5〜10年ほど前から現れることもあると言われています。
早期の受診をすることによって、レビー小体型認知症の早期発見が可能ということです。
また、すでにレビー小体型認知症の方で嗅覚に異常を感じている方は、食事の時などに香りの工夫をしてみると良いでしょう。
具体的には、カレー粉などのスパイスを用いて味付けをし、嗅覚を刺激してみましょう。
私たちは、食事をするときに、目で見て、鼻で香りを嗅いで、最後に味わいます。
レビー小体型認知症の方に限らず、私たちは香りを嗅ぐことができなかったら、美味しい料理でも十分に味わうことができません。
また、脳の中の嗅覚を司る部分は、脳の中心部近くにあり、そこには意識や意欲をコントロールする役割もあります。
レビー小体型認知症では、嗅覚障害を呈すると意識や意欲の低下もみられることがあるため、嗅覚を刺激することで、それらの低下の防止にも繋がる可能性があるでしょう。