レビー小体型認知症のための運動療法について
レビー小体型認知症に対して行われる「運動療法」という言葉をご存知ですか?
運動療法とは、けがや病気等で身体機能に何らかの障害や困難を負った方に対して、様々な運動を通して行うリハビリテーションの一環のことを指します。
具体的には、筋力トレーニングや、関節が固くなり動かなくならないために行う関節可動域訓練(関節を動く範囲で動かす)、座ったり立ったり歩いたりといった、基本的な動作を練習する「動作訓練」等のことを指します。
レビー小体型認知症では他の認知症に比べて、パーキンソン症状とよばれる運動障害を発症しやすいです。
そのため、より良い日常生活を送るためには運動療法は必須です。
ここでは、レビー小体型認知症の運動療法についてご説明します。
レビー小体型認知症の運動療法はどうやって行う?
レビー小体型認知症に対する運動療法は、どのように行われるのでしょうか?
レビー小体型認知症に対して行う運動療法は、筋力訓練、関節可動域訓練、バランス訓練、歩行訓練、基本動作訓練などです。
筋力訓練や関節可動域訓練は、運動療法の基本です。
徒手抵抗(力比べをするように腕や脚に力を入れて行う筋力訓練)により筋力トレーニングをしたり、肩や脚の関節が動かなくならないように、動く範囲で痛くないところまで動かす(ストレッチに似た)訓練を行います。
これにより、レビー小体型認知症の方の筋力低下や関節拘縮(関節が固まってしまうこと)を防ぎ、各々の動作が行いにくくならないようにします。
また、レビー小体型認知症の方は、姿勢が猫背に、前に縮こまるような姿勢をとりがちです。
なので、背筋を伸ばして胸を開くようなストレッチなどを行うこともあります。
これにより、まっすぐな姿勢を保ち、前のめりに縮こまってしまう姿勢を防ぎます。
レビー小体型認知症のための効果的な運動療法と注意点
レビー小体型認知症の方は、上記の運動療法を毎日行うことが基本です。
リハビリの専門家にリハビリを受けることが理想ですが、お家でも簡単なストレッチや筋力トレーニングを行うことができます。
注意点として、レビー小体型認知症の方は体調が日により変動しやすいので、体調が良くない時は無理をせず、できる範囲で行いましょう。
姿勢をまっすぐにするストレッチは、フェイスタオルなどの道具を利用しましょう。
両手でタオルの端と端を掴み、バンザイをするように両手をあげ、背筋を伸ばしましょう。
バンザイの状態から、体を左右にたおしたり、両手を胸の前の高さに戻して身体をひねったりするのも効果的です。
足の筋力トレーニングは、重錘などを足首に巻き、椅子に座って足の上げ下げや膝の曲げ伸ばしをすると良いでしょう。
10〜30回程度、少しきついと感じるくらいの運動で構いません。重錘などの道具は、100円均一などで販売していますので、上手に活用すると良いでしょう。