レビー小体型認知症の首下がりについて
レビー小体型認知症による「首下がり」と呼ばれる症状をご存知でしょうか?
レビー小体型認知症の患者さんの中には、身体が前に倒れるような前傾姿勢を常にとっていたり、首が前に曲がった姿勢をとっている方がいます。
とくに、このような首の異常な姿勢は、レビー小体型認知症の症状が進むにつれて酷くなっていくことが多いとされています。
その症状の特徴から「首下がり」とも呼ばれています。
ここでは、レビー小体型認知症による「首下がり」の原因や対処法についてご説明します。
レビー小体型認知症の首下がりの原因は?
レビー小体型認知症による首下がりの原因は、未だにハッキリとは解明されていません。
しかし、この「首下がり」の原因の可能性として挙げられるものは、主に二つあります。
一つ目の原因は、レビー小体型認知症によるパーキンソン症状のうちのひとつである「ジストニア」と呼ばれるものです。
ジストニアは、身体のある部分の筋肉に異常な力が入ってしまうものです。
この症状が首の筋肉、とくに首の前側の筋肉に現れることで、首が不自然に前に曲がった状態になることで「首下がり」起こるとされています。
二つ目の原因は、薬の副作用です。
とくに、レビー小体型認知症によるパーキンソン症状に対して服用している薬の副作用に多いとされています。
レビー小体型認知症の首下がりの対策と注意点
レビー小体型認知症による首下がりに対して、出来る対策と注意点についてご説明します。
まず知っておいていただきたいのが、首下がりは単に「首が曲がっている」だけではありません。
レビー小体型認知症の患者さんは、前が見られないことで歩くことも難しくなり、また、着替えや食事などの生活上必要な動作も制限されてしまいます。
さらには、首下がりで首が曲がった状態ですので、顎が気道や喉頭を圧迫してしまい、何を行うにも大きな制限となってしまいます。
対策の中で一番早く確実なものは、やはりかかりつけ医に相談し、薬の調節をしてもらうことです。
仮に薬の副作用が原因であれば、服薬調整により改善するでしょう。
詳しくは、医師に相談すると良いです。
また、生活の中で首下がりの対策をするには、正しい姿勢をとることができる時間をふやすことが重要です。
たとえば、椅子選びです。
身体に合った椅子のポイントは、まずは深く座った際に両足が床にぴったりつくかどうかが重要です。
また、身体が不安定な場合は、肘掛けやしっかりした背もたれがあることも考慮すべきでしょう。
さらに、首下がりは、寝ているあいだは改善されるため、身体に合ったベッドで定期的に仰向けになることも有効です。
筋力が衰えないように、足の運動や伸びの体操等を行うことも良いでしょう。