レビー小体型認知症による誤嚥について
レビー小体型認知症の方が誤嚥(ごえん)という症状に陥るのを見て、慌てる介護者の方は多いかも知れません。
レビー小体型認知症に罹患すると、食事や水分補給の際に上手く飲み込めなくなってしまう「誤嚥」と呼ばれる症状がでることがあります。
私たちが食事をする時、とくに意識をしなくても食物を飲み込むことができるのは、「嚥下反射」が起きるからです。
嚥下反射とは、食べ物などを飲み込むために無意識の反射が起こるよう、脳がコントロールしているものです。
しかし、レビー小体型認知症により、喉の周りの筋肉が上手く動かなかったり、筋肉が固まっていると、反射が起きにくくなってしまうのです。
ここでは、レビー小体型認知症による誤嚥についてご説明します。
レビー小体型認知症による誤嚥の症状は?
レビー小体型認知症による誤嚥ではどのような症状が現れるのでしょうか?
この症状は、具体的に言うと以下のようなことが挙げられます。
- 「上手に飲み込みにくい」
- 「むせる」
- 「飲み込むまでに時間がかかる」
- 「飲み込むのが苦しそう」
また、食べたときにむせるのは、食べ物を飲み込む際にきちんと食道に入るよう、気管に入りそうになってしまった際に食物を押し出そうとするために起こります。
つまり、嚥下反射が正常に働いていることによる働きと言えます。
ところが、レビー小体型認知症で誤嚥食物が気管に入ってしまうと、そこから細菌が入り、肺炎になってしまうことがあります。
これが「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」とよばれる肺炎で、高齢者にとくに多いとされています。
レビー小体型認知症の誤嚥を防ぐための対策や注意点
レビー小体型認知症による誤嚥を防ぐための対策についてご説明しましょう。
まず、誤嚥を防ぐためには、現在の食物を飲み込む力がどの程度あるのか、専門家に診てもらうことが必要です。
10秒間に何回水を飲み込むことができるのかをカウントしたり、飲み込む際の喉の動きをカメラで確かめたりしてもらいます。
そうして、その人に合わせた食事の形態(細かく刻む・トロミをつけるなど)を判断してもらいましょう。
また、レビー小体型認知症の方がむせないからといって、誤嚥をしていないとは限りません。
喉の感覚が鈍っていると、誤嚥してしまっても気付かずに、そのまま食物が気管の方に流れ込んでしまうことがあります。
これが最も危険で、「不顕性誤嚥」と呼ばれ、誤嚥性肺炎の大きなリスクになります。
飲み込みにくそうな感じを受けたり、食事のスピードが明らかに遅くなったなどの症状がある際は、ご注意ください。
一度かかりつけのお医者さんに相談し、専門家に診ていただくと良いでしょう。