認知症と社会心理療法

認知症と社会心理療法について

社会心理療法は、精神の症状や認知機能、行動、感情、生活の質を向上させるために行われる「非薬物治療」です。

 

社会心理療法は、統合失調症などの精神疾患にも用いられます。

 

認知機能の程度、ご本人の意志、精神症状や異常行動の有無などを踏まえた上で、生活をする中で必要とされる動作のレベルを把握します。

 

そして、残存機能の維持や、回復を目指しながらの指導や訓練が、様々な方法で行われます。

社会心理療法の種類と方法

社会心理療法の種類と方法について、いくつかご紹介しましょう。

 

行動療法

 

行動療法は、まず認知症による失禁、徘徊、介護拒否などの異常行動の原因と行動パターンを知ることから始まります。

 

その後、、それらの行動パターンを変えることによって異常行動の抑制効果を狙うという方法です。

 

環境調整

 

環境調整とは、認知症の方に異常行動を生じさせた原因を排除し、行動の安定を図ります。

 

回想法

 

回想法は、認知症の方ご本人の過去を思い出してもらいながら、自ら語ってもらうことにより、記憶を活性化し、感情を落ち着かせます。

 

バリデーション療法

 

バリデーション療法とは、異常行動を引き起こしてしまった感情を落ち着かせるため、ご本人の話に傾聴し、刺激を与えない対応を図ります。

 

モンテッソーリ法

 

モンテッソーリ法というのは、幼児教育にも使われる手法です。

 

日常生活用品などを使い、たとえば洗濯をする、服をたたむなどの行為で、認知機能の向上を目指します。

 

レクリエーション療法

 

レクリエーション療法は、グループでゲーム運動を行い、それによって、ストレスを解消し、情緒を安定させたり異常行動を抑えます。

 

音楽療法

 

音楽療法は、文字通り音楽を活用した方法で、音楽鑑賞をしたり、生活の中にBGMを流したりして、感情を落ち着かせます。

 

絵画療法

 

絵画療法は、ただじっと絵画を眺めるというのではなく、絵を描くという一連の行動の中で情緒の安定を促していきます。

 

ペット療法

 

ペット療法とは、ペットとのスキンシップにより焦燥感を和らげたり、社会性を養うことを目指します。

 

たくさんご紹介しましたが、これらの治療は劇的な効果はないかもしれませんが、副作用の心配がないという点では、大きなメリットがあります。

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