認知症のリハビリテーションと遊びについて
認知症を改善・緩和するためのリハビリテーションと遊びについてご説明しましょう。
遊びリテーションという言葉は有名です。
脳を活性化させるためには「指を使うといい」と昔から言われています。
その理由は、指先には神経が多く通っているためです。
それを「遊び=レクリエーション」として行うことは、認知症の方々の楽しみにもなるため、各通所施設でも積極的に組み込んでいます。
みんなでワイワイ行うことや、競い合うことが「脳の活性化」にもつながっていくのです。
そんな認知症に効果的と言われる遊びリテーションとは、どのような内容なのでしょうか?
認知症の訓練 遊びリテーション
認知症介護現場でのリハビリテーションの一環として、「遊びリテーション」があります。
遊びリテーションは、遊びやゲームをリハビリテーションに取り入れて、楽しみながら認知症をケアしていこうというものです。
簡単なところでは、手を握ったり開いたりするだけでもいいとされています。
少し発展させたケースとしては、左右の手で、グーとパーを別々に出すことで、脳への刺激はより増します。
また、数を指折り数えたり、じゃんけんにわざと負けるなど、道具を使わなくても効果的な予防遊びもあります。
これらの遊びリテーションは、うまくできなくてもいいのです。
遊びリテーションでは、難しい動きをやろうとして、脳を働かせることが最重要だからです。
また、言葉遊びも、大人数で行うと盛り上がるレクです。
しりとりは、誰もが経験のある遊びなので誰でも参加できます。
あるいは、「3文字の動物を挙げていって!」と言えば、みなさんが真剣に考え、答えが出たときはとても嬉しそうにしています。
また、お手玉などの一人遊びであれば、ベッドの上で一人でもできる遊びです。
その上、懐かしさもあるため、リハビリには効果的だと言えます。
認知症の遊びリテーションの効果性
認知症の遊びリテーションという方法には、有効な面がたくさんあります。
それは「トレーニング」という修行のような感覚からかけ離れているからです。
ともすれば、認知症のトレーニングと言えば、無理やりやらされるというイメージがついてくる場合もあると思います。
動かなければならないと分かっていても、加齢とともに体の動きは悪くなり、気持ちはあっても動けないというジレンマに陥る認知症患者は多いです。
身体を動かさないことによって、さらに認知症は進み、周囲からもトレーニングを強く勧められる。
そんなどうしようもないジレンマに陥る認知症の方は、一般的なトレーニングからも離れがちになってしまいます。
その点、遊びリテーションの場合は、楽しく、無理なく、一人でも複数名でも出来るトレーニングです。
いえ、トレーニングという言葉が似合わないほど「楽しい」とおっしゃる認知症患者の方も多いのも事実です。
そんな遊びの中から認知症の進行を遅れさせることが出来るというのが、遊びリテーションの最大のメリットと言えるでしょう。