認知症に対する、ぬいぐるみの効果について
現在、介護現場へのロボット導入が進められていますが、一般の家庭でロボットを購入するには高価すぎるのが難点といえます。
なにしろ、一体10万円以上もするのですから。
そこで、手ごろな価格で、認知症ケアの効果を期待できるのが、“ぬいぐるみ”や“人形”です。
ぬいぐるみセラピーは、もともと「うつ病」や「アダルトチルドレン(幼少期のトラウマによる心の悩み)」のケアのために使われた療法ですが、実は認知症への流用もできるのです。
少しでも介護ロボットに近い機能を望むのであれば、コンピュータを使った「おしゃべり人形(ぬいぐるみ)」がいいでしょう。
赤ちゃんタイプ、ペットタイプ、ロボットタイプなどいろいろあるので、ご本人の好みそうなものを選んではいかがでしょうか。
金額的にも数千円から一万円台で買えるものが多いのも魅力です。
また、何の機能もない「普通のぬいぐるみ」にも認知症の予防やケアへの効果があることを覚えておきましょう。
ぬいぐるみセラピーと認知症ケア
ぬいぐるみセラピーと認知症のケアについて触れてみましょう。
まずは、認知症云々というお話の前に、ふわふわでかわいらしい姿の「ぬいぐるみ」に、たいていの人は心癒されるのではないでしょうか。
科学的にも、ぬいぐるみをギュっと抱きしめるだけでも「癒し効果」があると言われています。
心理的なお話をするなら、「ぬいぐるみを抱きしめること=自分(の心)を抱きしめてあげる」ことになるのです。
さらに、ぬいぐるみ・人形に話しかけることで、孤独感や不安感が軽減されるとも言われています。
そのため、認知症の方々のBPSD(周辺症状)の根底に潜んでいる「不安や孤独」を和らげることにも効果があると言えるでしょう。
軽度認知症には「ぬいぐるみ」、それ以降の認知症には「赤ちゃん人形」を勧める声もありますが、これはご本人の意思を尊重するのが一番でしょう。