認知症に対する音楽療法について
今、認知症の現場に、音楽療法なるものが取り入れられていることをご存知でしょうか。
そもそも人間は、昏睡状態であったとしても「聴覚」は生きていると言います。
認知症にしても、それがたとえ末期でも聴覚は残っていると言えるのです。
そして、その聴覚から心身へアプローチする方法が音楽療法というわけです。
では、認知症のどのような部分に音楽療法は効果をもたらすのでしょうか?
認知症に対しての音楽療法の研究結果として挙げられるのは、次のような効果です。
- 抑うつ状態を和らげる
- 社会性を高める
- 攻撃性を抑える
- ストレスや痛みを緩和する
- 未来や希望を感じられる
次に、認知症に対する音楽療法の種類について見ていきましょう。
認知症に対しての音楽療法のいろいろ
認知症に対しての音楽療法には、いろいろなものがありますのでご紹介しましょう。
音楽療法(1)歌を歌う
懐かしい歌を歌うことで記憶、感情が蘇ると共に、施設などでは歌を軸にして仲間との会話が広がり、一体感が生まれ、その場が心地よい空間になります。
また、歌うことで呼吸(肺)機能が高まるとされています。
音楽療法(2)楽器を演奏する
楽器の演奏により、身体機能の向上が期待されます。
また、仲間と演奏をすることにより連帯感や向上心も強まります。
音楽療法(3)音楽を鑑賞する
体を動かせない方の場合、音楽の鑑賞だけでも効果はあります。
音楽の世界に入り込むことで後ろ向きな気持ちを少しでも癒し、希望を与えます。
また、仲間で同じ音楽を鑑賞すれば話のタネになり、良好な関係性が築けるでしょう。
音楽療法(4)体を動かす
ダンスでも当て振りでも体操でも何でも構いません。
音楽に合わせて体を動かしたり、物を持って踊ったりすることで心身へ刺激を与え、障害箇所のリハビリにもつながります。
このように誰にでもできるのが音楽療法なのですが、さらに効果を望むなら音楽療法士によるマンツーマンのセラピーを受けてもいいかもしれません。
これは音楽と対話を基にセラピーを行うワンランク上の音楽療法です。