認知症とペットセラピーの関係性について
認知症の現場で、今ペットセラピーという療法が活用されていることをご存知でしょうか?
ペットセラピーとは、アニマルセラピーとも呼ばれる「動物介在療法」という方法です。
認知症の患者に限らず、いろいろな現場で行われている方法で、動物と触れ合う事により身体、精神の健康を目的とした療法となります。
ここでは、認知症の現場で行われているペットセラピーについてご説明します。
認知症にペットセラピーが効果的と言われる理由は?
認知症の患者に、なぜペットセラピーが効果的と言われているのでしょうか?
まず、ペットセラピーは、動物と触れ合うことで精神的に穏やかになり、癒しを感じることができます。
また、動物に直接的に触れるために身体を動かしたり、運動的なリハビリにもなり、認知症患者には大きな効果を期待できます。
また、ペットセラピーでは、普段は怒りっぽかったり、落ち着かない認知症の方でもペットと触れ合う際には穏やかな表情で可愛がる場面も良く見られます。
言語障害、意欲が沸かない、周りとコミュニケーションが取れないという認知症患者でも、動物と触れ合っている時は違います。
意欲的になることも多く、表情が豊かになるという場合もあります。
このように、動物と触れ合うペットセラピーは、認知症の患者に対してさまざまなメリットのある療法と言えるでしょう。
認知症にペットセラピーを効果的に活用するには?
認知症患者に対してペットセラピーを行う前提として、理解しなければならないことがあります。
それは、ペットセラピーは、認知症患者に効果があるという科学的な根拠はなく、「認知予防」への効果は大きいという事です。
しかし、だからと言って必ずしも認知症患者へ効果がないという訳でもありません。
また、ペットセラピーは、療法とは言っても、ある程度認知が進行していると認知症を治療、健常の状態へ戻すというものではないということです。
もちろん、認知症を治すことはどの治療に置いても現時点では不可能に近いと言ってもいいと思ってください。
ペットセラピーにはセラピストがおりますが、専門家が必ず必要という訳ではなく、家族や知り合いが飼っているペットと触れ合うという簡単な事から始められます。
また、人形を用いる「ドールセラピー」というものもありますが、動物の人形を代用しても同じような効果が得られる事もあります。
もちろん、本人が動物に興味を示さなかったり、動物が噛みついたり等の行動を起こす場合は、この方法は無意味どころか、逆効果となりますので、その点には注意が必要です。
また、わざわざペットを飼うという事も、介護する側に負担がかかることでもありますし、経済的な問題もあり、命を扱うという事もあるので注意、検討の必要はあるかも知れません。