前頭側頭型認知症(FTD)は歩行障害が現れやすいの?
前頭側頭型認知症(FTD)によって歩行障害が現れるという話を聞いたことはありませんか?
前頭側頭型認知症(FTD)では、脳の前頭葉という場所などの機能が低下することによって、さまざまな症状があらわれます。
その症状は実に多彩で、中でも比較的あらわれやすい運動機能の障害としては「歩行障害」が挙げられます。
ここでは、前頭側頭型認知症(FTD)による歩行障害についてご説明します。
前頭側頭型認知症(FTD)による歩行障害の原因とは?
前頭側頭型認知症(FTD)によって歩行障害になる原因とは、何でしょうか?
まず、前頭側頭型認知症(FTD)になると、脳の前頭葉という部分がうまく働かなくなってしまいます。
この前頭葉は、私たちが身体を動かしたり歩いたりする際に、もとても重要な役割を担っています。
たとえば、前頭葉が働かなくなってしまうと、スムーズに運動をすることができなくなってしまいます。
少し詳しく解説すると、前頭葉は体を動かすことそのものよりも、更に細かい動作を司る役割を持っています。
たとえば、、運動のスムーズさや運動の企画(どのように手を伸ばして掴めば、コップから水を飲めるかなど)をすることを担っています。
そのため、前頭側頭型認知症(FTD)によって前頭葉の機能が障害されると、全体的にぎこちない動きになります。
前頭葉の機能が低下することで起こる歩行障害では、歩いている際に胴体が揺れてしまったり(失調)、大股になったり、パーキンソン病のような「小刻みな歩行」になることがあります。
前頭側頭型認知症(FTD)による歩行障害への対応と注意点
前頭側頭型認知症(FTD)の方の歩行障害は、認知症になって初期には前頭葉の機能障害が原因であることが多いです。
そのため、ただ単に歩く練習をするだけでは効果が見られないことがあります。
前頭側頭型認知症(FTD)になったら、早めに医療機関を受診し、必要なリハビリテーションが受けられるよう主治医に相談してみましょう。
病院などの医療機関では、リハビリテーションの専門家が、必要なアドバイスをしてくれたり、歩けなくならないよう様々な運動などのリハビリを実施してくれます。
また、家族が家庭内でできる対応や注意点としては、家の中での転倒を防ぐように環境を調節することです。
パーキンソン病のような歩行障害では、足がすくんでしまったり、前のめりに突進するような歩行となってしまいます。
そのため、つまづかないように家の中の段差をなくしたり、転びそうなところが目立つようにビニールテープなどで目印をつけたりします。
また、前頭側頭型認知症(FTD)になった方はカーペットなどのとても小さな段差でも意外とつまづきやすいです。
なので、テープでマットの上から止めたり、マットは敷かないといった対応をしましょう。
そして、万が一転んでしまっても、タンスの角などに頭がぶつからないよう、100円均一などで販売している、角を保護するシートなどを活用すると良いでしょう。