前頭側頭型認知症(FTD)の介護方法について
前頭側頭型認知症(FTD)に対する介護方法について、いろいろと悩む介護者の方は多いと思います。
認知症には、アルツハイマー型認知症などの有名なものの他にも種類があり、症状や特性が異なります。
前頭側頭型認知症(FTD)も同じで、その症状や特性に合わせた介護方法を知っておく必要があります。
実は、その方に合った介護は、認知症のご本人のためだけに行うのではありません。
介護者側の負担も軽くなり、心に余裕ができるため、とても大切なのです。
ここでは、前頭側頭型認知症に対する介護方法の注意点や、対策についてお伝えします。
前頭側頭型認知症(FTD)の介護方法の問題点や陥りやすいポイント
前頭側頭型認知症(FTD)の介護方法への注意点には、どのようなことがあるのでしょうか?
まず、前頭側頭型認知症(FTD)の原因は、いまだにはっきりとは解明されていません。
しかし、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮して起こるとされています。
この部分の脳は、人間の意欲・理性・興味関心など、人間が人間らしくいるためにとても大切な役割を担っています。
よって、この部分が障害される前頭側頭型認知症は、おおまかに言うと「社会的な適応性が失われた状態」になってしまいます。
そのため、病前から本人に関わってきた介護者は、そのことで精神的に参ってしまったり、ショックを受けてしまうことが多々あります。
具体的には、理性が失われていくので、万引きや軽犯罪等の反社会的行為も見られることがあります。
また、前頭側頭型認知症では、他人に無関心になったり、本人の関心のある事を繰り返し行ったりします。
しかし、介護者側が感情的になってしまったり、相手を責めるような介護方法では、逆効果になってしまいます。
また、介護者側は、「この問題行動は前頭側頭型認知症によるものだ」と理解できないことが多いです。
すると、周りの人に本人の状態を隠そうとし、介護者ひとりで抱え込もうとしてしまいます。
しかし、この介護方法は非常に難しく、介護者の大きな孤独感やストレスといった問題につながってしまいます。
前頭側頭型認知症(FTD)の介護方法への対策や注意点
では、前頭側頭型認知症には、どのような介護方法であれば、よりよい介護ができるのでしょうか。
まず、介護者側ができる具体的な対策としては、前頭側頭型認知症(FTD)の症状を良く知ること。
そして、反社会的な行為も認知症による「症状」だということを深く理解する事です。
親しかった家族や仲間が、そのような行動をしてしまうことを受け入れるのはとても難しく大変なことです。
しかし、介護者はその事実をまずは受け止め、病気によるものなのだということを理解する必要があります。
そのためにも、まずは独りで抱え込まず、介護サービスなどをできる限り多く利用しましょう。
そして、本人と関わる時間と、自分だけの時間の区別をすることは、とても大切です。
また、前頭側頭型認知症の方は「環境の変化が苦手」という特性があります。
なので、本人に合ったサービスが見つかった場合は、可能な限りサービス内容を変えないことが有効です。