前頭側頭型認知症(FTD)の遺伝について
前頭側頭型認知症(FTD)の初期症状には、どのようなことがあるのでしょうか?
認知症の初期症状というと真っ先に浮かぶのが「物忘れ」などに代表される記憶障害だと思います。
しかし、前頭側頭型認知症(FTD)は、他の変性性認知症(アルツハイマー型、レビー小体型等)とは違い、必ずしも記憶障害があるとは限りません。
そのため、初期症状を見分けるには、他の認知症とは違った視点を持つ必要があります。
今回は、そんな前頭側頭型認知症の初期症状についてご説明します。
前頭側頭型認知症(FTD)の初期症状は2つに分類される?
前頭側頭型認知症(FTD)の初期症状は、多くの場合、性格変化や行動異常から始まる事が多いです。
そのため、単に性格が変わったと思われることが多く、病気の発見が遅れる危険性があります。
前頭側頭型認知症(FTD)には、大きく2つの分類に分けられます。
行動障害型」と「言語障害型」と言いますが、65歳以下の発症が多く、男女差はありません。
時に家族歴を有する事があります。
前頭側頭型認知症の初期症状としては、愛情や親近感が低下し、ルールを守ったり、他人に配慮出来なくなります。
また、周囲の目を気にする事なく、自分の思っている通りの行動をしてしまいます。
さらに、前頭側頭型認知症の初期症状から出現する「常同行動」は、毎日同じ時間に同じ事を行います。
これを止めようとすると興奮し攻撃的になり暴力をふるう方もいます。
残念ながら、前頭側頭型認知症の原因は不明で、特効薬もありません。
ですので、ある程度の年齢になる老人がいらっしゃる場合、単に「最近、性格が変わった」「だらしなくなった」で終わらせないことが重要です。
早い段階で精神科や認知症専門医、もしくはお近くの行政機関へ相談する事をお勧めします。
前頭側頭型認知症(FTD)の初期症状への接し方と注意点
前頭側頭型認知症(FTD)の反社会的行動は病気の一つと捉え、初期症状が出はじめた段階で対処することが大切です。
たとえば、万引き、無銭飲食などの分かりやすい症状が出ている場合には、本人の行動をしっかり観察し「先取り行動」をしましょう。
前頭側頭型認知症(FTD)の方は、常同行動をしますので、大体どこで何をするかが分かって来ます。
お店の方に事情を説明し、先にお金を渡しておいたり、後でまとめて請求をしてもらう等の対応が必要となります。
初期症状の頃は、比較的記憶力保たれていますので、この時期に「馴染みの関係」を作っておくのも得策です。
デイサービスに通う事を日課(常同行動)にすれば、本人の安心感につながります。
前頭側頭型認知症の常同行動を止めると、本人は興奮し混乱しますので、常同行動を利用する形で対応する事がお勧めです。