前頭側頭型認知症(FTD)は食べ方が奇妙って、どういうこと?
前頭側頭型認知症の介護者の方で、食べ方を気にされている方は多いかも知れません。
認知症は、物忘れをするという印象が強いと思います。
しかし、認知症には様々な種類があり、それぞれの種類によって現れる症状も様々です。
前頭側頭型認知症という認知症では、他の認知症の方には見られない特殊な症状を示すことがよくあります。
その中でも、食事の際の食べ方に、前頭側頭型認知症の方特有の奇妙な症状が現れることが多くあります。
今回は、この前頭側頭型認知症の方の奇妙な食べ方について、原因と対策をお伝えします。
前頭側頭型認知症(FTD)による食べ方の奇妙さついて
前頭側頭型認知症では、病前には見られなかった奇妙な食べ方をすることがあります。
たとえば、以下のような食べ方を前頭側頭型認知症の方はすることが多いです。
- 同じ物を延々と食べ続けて他のものは食べない
- ご飯を完食してからおかずを食べるなど「三角食べ」をしない
- 何にでも砂糖や塩などの自分の好きな調味料を大量にかける
などなど・・・
これらの食べ方は、病前には見られなかったものであり、初めて目撃した家族は驚いてしまうことが多くあります。
また、料理をしたご家族の方がショックを受けて、本人を叱ったり、普通の食べ方に近づけようと言って聞かせたりしても、あまり効果が得られないことが多いのです。
前頭側頭型認知症(FTD)の奇妙な食べ方への対応と注意点
このように、前頭側頭型認知症では食事の食べ方の面で、とても奇妙な行動をとってしまうことが多くあります。
しかし、食事の最中で食べ方を注意したり、食事をとめてしまうことは、混乱を招いてしまうため、かえって逆効果です。
ですから、前頭側頭型認知症の方の健康を害さない程度の食べ方に関しては、見守るようにしましょう。
例えば、三角食べができず、栄養が偏ってしまいそうな場合には、丼ものなどにして、そのままおかずとご飯を一緒に食べることができるような工夫も有効です。
前頭側頭型認知症の本人の健康に害が及ぶ可能性があるものに関しては、事前に環境を工夫し、整えましょう。
もしも、甘いものやしょっぱい物を極端に好んで食べてしまう場合には、1日の中でおやつの時間を決めておくことも有効です。
また、夜中など家族が寝ている際にも台所などをあさって砂糖や塩、シロップなどを食べてしまう場合もあります。
過剰な塩分や糖分の接種は、糖尿病などの生活習慣病につながる危険性があります。
そのため、それらの調味料は、鍵のかかる戸棚など、本人が取り出せないような場所に隠しておきましょう。
また、冷蔵庫の中のものを知らない間に食べてしまわないよう鍵をつけておくことも選択肢の一つとして有効です。