前頭側頭型認知症(FTD)と「こだわり」が強くなることの関係
前頭側頭型認知症は、ほかの認知症とは異なった特徴的な症状を示すことがあります。
その中に、ものごとへの「こだわり」を示すことが挙げられます。
しかし、普通のこだわりとは何が違うのかの区別はどのようなものでしょうか?
今回は、前頭側頭型認知症における、こだわりに関する行動についてお伝え致します。
前頭側頭型認知症(FTD)における「こだわり」とは?
前頭側頭型認知症による「こだわり」とはどのようなものなのでしょうか?
前頭側頭型認知症を発症すると、普段の本人とは明らかに違った行動をとることがあります。
アルツハイマー型認知症などと異なり、物忘れは目立つことが少ないです。
そのため、おかしな行動が、前頭側頭型認知症によるものだと判別するのはなかなか難しいものです。
そんな中、前頭側頭型認知症を見分けるための行動のひとつとして、異常なまでの「こだわり」を持つことが挙げられます。
例えば、1分1秒も狂わないタイムスケジュール通りに動いたり、物の置き場所を一日中確認していたりと、普通のこだわりとは明らかに異なった行動をとります。
食事にもこだわりの影響が出やすく、食器の位置を一定の位置に固定しないと食事をしなかったり、同じ味付けしか口にしないこともあります。
前頭側頭型認知症(FTD)によるこだわりに対する対応策や注意点
このような、前頭側頭型認知症の方に特有のこだわりに対しては、どのように対応したらよいのでしょうか?
まず、注意点としては、こだわりを否定したり無理やり辞めさせようとすることは、本人の混乱を招くため、やめましょう。
命の危険などがないこだわり行動や、他人に迷惑をかけることがないこだわりに対しては、ある程度見守ることが大切です。
前頭側頭型認知症による「こだわり」がエスカレートしたり、危険な行動につながらないように、環境を調節するようにしましょう。
まずは、その「こだわり」が現れる行動やポイントを把握するようにします。
ポイントがつかめたら、さらなる「こだわり」につながらないように環境を変えます。
例えば、タンスの位置やリモコンの位置など、位置に関してのこだわりがあるのであれば、それらの位置は変えないようにしましょう。
また、食事の際の食器の置き位置がこだわりにつながらないよう、プレートのお皿をあらかじめ使ったり、食器の工夫をしてみましょう。
前頭側頭型認知症による「こだわり」が転倒や怪我等、身体に影響がありそうな行動であった場合、本人がいない時に危険物は取り除いておきましょう。
そして、本人の気がそれるような話題を振ってみたり、危険の生じないこだわり行動に誘導し、落ち着いてもらうことが必要です。