前頭側頭型認知症(FTD)の禁忌について
前頭側頭型認知症の禁忌については、一般的あまり知られていないように思います。
前頭側頭型認知症は、アルツハイマーの認知症などに比べて様々な症状を発症します。
ですから、他の認知症に比べて、行ってはいけないことや飲んではならない薬など、禁忌事項を確認しておく必要があります。
今回は、前頭側頭型認知症の禁忌についてお伝え致します。
前頭側頭型認知症(FTD)の禁忌には注意が必要
前頭側頭型認知症の禁忌には注意が必要です。
前頭側頭型認知症は、他のアルツハイマー型認知症に比べ、初期症状で物忘れ等が見られることが少ないです。
そのため、なかなか認知症と診断されない場合があります。
また、仮に認知症と診断されても、前頭側頭型認知症と正しく診断されないケースもあります。
その結果、認知症の方が一般的に服薬するとされる「アリセプト」とよばれる抗認知症薬を処方される場合があります。
しかし、このアリセプトは、前頭側頭型認知症の方の服薬は禁忌とされています。
前頭側頭型認知症の方がアリセプトを服薬した場合は、急に怒り出すなどの興奮症状が悪化したりする場合があります。
そして、前頭側頭型認知症による問題行動への対応に関しても「禁忌」があります。
前頭側頭型認知症になると、
- 周囲に関心を示さなくなる
- 他人から見たら意味をなさない行動をくり返す
- 無意味に繰り返し手をたたく
- 席を立って一回りして歩いて座ることをくり返すなど
・・・といった症状がでることがあります。
この症状は、他人や家族から見ると意味のない行動であり、それをやめるように注意したくなります。
しかし、この症状を注意して無理やり止めようとすると、患者は混乱してしまい、怒り出したりする場合もあります。
そのため、このような行動を無理やり辞めさせようとすることは禁忌となります。
前頭側頭型認知症(FTD)の禁忌に対する対策や注意点
前頭側頭型認知症の禁忌に対する対策や注意点について触れておきましょう。
まず、服薬について、医師は診断のもとその方に合った薬を処方してくれます。
しかし、前頭側頭型認知症は誤診されやすいという特性上、精神病やアルツハイマー型認知症と診断されてしまうことも、稀にあると言われています。
ですから、新しい薬を服薬してから、明らかに調子がおかしい際は、禁忌となる薬が処方されている場合が考えられます。
その場合は、速やかに主治医に相談しましょう。
また、意味のない同じ行動をくり返すという、前頭側頭型認知症の特徴的な問題行動に対しては、無理に制止することは禁忌です。
その場合は、少し離れたところで様子を観察しましょう。
前頭側頭型認知症の方がくり返す行動が決まっていて、歩き回ったり転倒の危険がある場合などもあるでしょう。
そのときは、事前にこちらが危険物や障害物を排除し、事故につながらないように環境を調節することも有効な対策です。