シナプソロジーと認知症予防について
認知症の予防に効果的と言われるシナプソロジーについてご説明します。
ふだん、私たちは同時に二つのことをしたり、右と左で異なった動きを行ったりすることには慣れていません。
もちろん、仕事上必要に迫られて体に染み付いてることはあるでしょう。
しかし、そのように「慣れる」という状態にまで至ってしまえば、脳への刺激が足りなくなります。
つまり、敢えて「慣れない動き」を行うことで脳に刺激が与えられ、働きが活発になるのです。
それによって、認知症の予防に効果を発揮します。
シナプソロジーは、このような観点から考え出されたプログラムです。
昭和大学脳神経外科の藤本名誉教授の助言の下、フィットネスクラブなどを運営している一企業が開発したものです。
シナプソロジーは、ひとりで行うよりも、複数でワイワイ楽しみながら行うことを主眼に置いています。
仲間と感情を表に出しながら行うことで、それに関連した脳の部位が活性化します。
そして、「認知機能」と「運動機能」の改善に加え、不安感を和らげる効果もあるとされています。
認知症予防に効果を発揮するシナプソロジーの一例
認知症予防に効果を発揮するシナプソロジーの一例として「計算じゃんけん」をご紹介しましょう。
計算じゃんけんの基本動作としては、じゃんけんの「グー」は10、「チョキ」は20、「パー」は50というように数字を割り当てます。
そして、二人一組でじゃんけんをして、相手と自分が出した手(割り当てた数字)を足して声に出します。
さらに、少し難しく、「グー」は100、「チョキ」は200、「パー」は500にしたり、もう一段階「難易度」を上げて、「グー」を10、「チョキ」を20、「パー」を5000にして同じようにじゃんけんをします。
このように、「身体的な刺激」や「認知機能への刺激」を変化させ続けることで、常に「新しい刺激」が脳を活性化することになるのです。
このほかにも、スカーフやお手玉、ボールなどを使ったプログラムもあり、介護施設などで採用されることも多くなってきているようです。