認知症の疑いがある時とは、一体どんな時?
認知症かどうかのテストや診断をする前段階として、「認知症の疑いがあるかも知れない」と思う時期があります。
たとえば、認知症の方の部屋を訪ねると、かなり散らかっている状態が見受けられます。
片付けは、以下のような認識の流れで行われます。
(1)その物を認識する→(2)その物の使い道を判別する→(3)その物の本来の在りかを判断する→(4)その場所へきちんと置く
つまり、片付けは、認知症で損なわれてしまう、上記のような機能が正常だからこそ、キチンと行われるものなのです。
そのため、今までできていた「片づけ」ができなくなってきたら、認知症の疑いがあるかもしれません。
「認知症=物忘れ」というのが世間の認識でしょう。
ところが、そのほかにも家族なら気付く「おや?」と思うことが積み重なってくるものなのです。
たとえば、財布に小銭が異常に多く溜まっている時も、認知症の疑いがあります。
レジでの支払い時に簡単な計算ができなくなっていたり、必要な小銭がわからずに常にお札で支払いをしてしまうためです。
また、同じ品物ばかりを買ってきて、それが家に溜まっている場合も認知症が疑われます。
認知症の疑いがある!と思った時の対応について
認知症の疑いがあると思った場合、まずは、ご本人の自尊心を損なわないためにも、専門医の受診の前に「簡易チェック」を行ってみるといいでしょう。
簡易チェックは、テスト形式でなくてもいいのです。
たとえば、日常の中でそれとなく「今日の日付」や、知人の写真を見ながら、その人の「名前」を聞いてみたりするのも良い方法です。
また、料理ができなくなっていないか、車の運転ミスが増えていないか、やる気がなくなっていないか、服装に無頓着になっていないかなどをチェックしてみます。
できれば、それが一年前と比べてどうかという判断が下せれば、よりよい認知症チェックになります。
その上で認知症が疑われるのなら、専門医を受診するといいでしょう。