認知症?フレイルとはどんなもの?
認知症に関連する言葉で、フレイルという言葉をご存知でしょうか?
認知症そのものに馴染みのない方には、聞き慣れない言葉であるかもしれませんね。
“フレイル”とは2014年に日本老年医学会が発表した言葉です。
高齢者の身体機能や認知機能が低下することによって元気な状態と介護を必要とする状態の、ちょうど中間の状態を示すという意味の言葉です。
フレイルの語源は、Frailty (フレイルティー)という英語で、これは老衰、虚弱を意味する言葉です。
また、「老衰」「虚弱」と聞くと、健康な状態には戻らないという印象があります。
しかし、フレイルには「なりかけたとしても元に戻る」という「予防」の意味が含まれています。
ここでは、そんな認知症とフレイルの関係についてご説明します。
認知症?フレイルになる原因
年齢が進むにつれて足腰の筋力低下が原因となり立って歩くのも、やっと。
これまでは一言で「老化現象」と呼ばれてきた症状が「フレイル」という新しい呼び名で呼ばれ始めるようになりました。
認知症になる前のフレイルの原因は、ほとんどが「加齢によるもの」と言われてきました。
たとえば、高齢者が認知の機能が衰えたり、腰が曲がってしまったり、それに伴って身長が低くなったりするのは、すべて加齢が原因と言われてきたのです。
しかし、フレイルの問題点は「体力の低下」や「早い動作が出来なくなった」とか、また「転倒しやすくなった」といった身体的な面だけではありません。
「認知機能の低下による認知症の発症」や、それに伴う「うつ病」などの精神的な面に加えて、「独居による孤独感」や「経済的な面」など、社会的な面に対する問題も含まれています。
このような状態のフレイルを早期に発見し、適切な予防あるいは改善によって認知症を未然に防ぎ、再び元気な状態を取り戻すことを目標として発表されたのです。
認知症を含むフレイルの予防・改善策
フレイルの予防法や対応策を考える前に認知症の機能を含め、まず現在はどのような状態であるのかをチエックしておく必要があります。
フレイルの身体的なチエックには、「筋力の低下」・「活動量の低下」・「歩行速度」・「疲労の度合い」・「体重減少」が含まれています。
もちろん認知症患者に限らず、高齢になるにつれて、ある程度の身体能力の低下は仕方のないことかもしれません。
そんな中でも、ウォーキングなど無理のない有酸素運動で筋肉を増やす努力をしたり、地域で行われている音楽活動などに参加して歌を歌って肺活量を増やしたりすることでフレイルの予防・改善につながります。
また、食事の面においても、肉や魚や大豆などのタンパク質の摂取を心がけることも重要です。
食べ物や栄養を意識することは、「健康で長生きする」ための重要な対応策であるということができるのです。