認知症と喫煙リスクについて
認知症と喫煙リスクについてご説明します。
「タバコは害である」という風潮になってからだいぶ経ちますが、以前「喫煙が認知症を予防する」と唱えた研究者がいます。
ところが、それはデタラメともいえる稚拙な統計から導き出した結果であって、いまや「喫煙が認知症を誘発する」という説が是認されています。
もとより、喫煙は循環器系の病原と捉えられていますが、脳血管も循環器の一部分であり、その悪影響を受けないわけはありません。
ニコチンによる血管の収縮作用が継続することで動脈硬化が進行し、脳梗塞や脳出血を引き起こすのです。
そうなった後に懸念されるのは「脳血管性認知症」でしょう。
その理由は、脳に新鮮な酸素が行かなくなり、脳細胞が死滅するためです。
また、「アルツハイマー型認知症」との関連性も唱えられており、中年期に多量の喫煙をしていた者と非喫煙者とでは、2倍ほどの発症率の差が報告されています。
喫煙による記憶力、言語能力、推理力など思考力の低下が認められ、脳の老化を助長していると考えられます。
認知症を誘発すると言われるタバコをやめさせるには?
タバコは依存性が高いために、多くの方にとって禁煙は難しいのが現状でしょう。
しかし、現在は「禁煙グッズ」や「禁煙外来」などによる方法も推し進められており、禁煙の成功を後押しする社会になっています。
禁煙のサポートとなるもの(1)禁煙ガムや飴
禁煙ガムや飴の場合、少量のニコチンを、代替品で摂取しながら喫煙習慣から離れていくため、イライラ感の少ない禁煙が進められます。
禁煙のサポートとなるもの(2)禁煙外来
禁煙外来は、専門医の指導の下、「禁煙補助薬」を使用しながら禁煙を成功させる方法です。
薬の作用により「タバコがおいしく感じられなくなる」ため、効果も上がるといえます。
なお、禁煙したい人には上記の方法を勧めやすいのですが、やめる気のない人には「禁煙のメリット」を伝えていくといいでしょう。