認知症と「うつ」のの関係は根深い?
認知症と間違われやすい病気の一つに「うつ病」があります。
うつ病の症状には、認知症の症状に似たものがいくつかあります。
そこで両者の違いをよく知ることが、認知症の初期を見逃さずに「早期治療」へつなげる手立てとなりうるのです。
うつ病の前段階として、「抑うつ状態」と呼ばれる状態があります。
これは一時的、短期的にうつ症状が出ている場合で、まだ病気とは診断されない状態です。
うつ病の症状には、「やる気の減退、妄想、仕事や家事が手につかなくなる」などがあり、日常生活に影響が出てきます。
たとえば、暗くても電気も点けずに部屋でボーッとしていたり、洗濯ものをたたむ方法がわからなくなったり、最悪の場合は自殺願望が出てきます。
さらには、「老年期うつ病」というものがあり、これによって病気の鑑別を難しくさせています。
認知症とうつ病の違い
認知症と「うつ病」の違いとしては、症状の進行スピード、自責感が強いか否か、抗うつ剤が効くか否かなどが挙げられます。
特に、「老年期うつ病」は不安感や焦りが強く、何事にもやる気が起きず、物事を先延ばしにするなどが現れやすい特徴です。
身体的なものとしては、もの忘れ、不安定感、腰痛や肩こり、便秘、不眠、食欲不振などの症状が出てきます。
その原因は、病気、仕事(社会)からの引退、独居、近しい人との死別や財産が減っていく不安などが考えられます。
ご存知のように、「老齢期」はそれらが立て続けに経験される時期でもあり、相当な心的ダメージがあると思っていいでしょう。
うつ病に「叱咤激励」は厳禁です。
ご本人の不安やストレスを察し、気持ちに寄り添うことが大切なのです。
うつ病自体は薬やカウンセリングでの治療が可能なので、専門医の受診はよい手段と言えるでしょう。