認知症テストのMMSEについて
認知症テストの一つに「MMSE」と言うものがありますが、ご存知ですか?
MMSEは、ミニメンタルステート検査(Min Mental State Examination)の略称です。
長谷川式に次いで有名な方法だと思われますので、ご存知の方も多いかもしれません。
MMSEのテストは1975年に開発され、作成者はアメリカJohnsHopkins大学のFolstein夫妻です。
今回は、そんな認知症テストの一つMMSEについてご説明します。
認知症テストのMMSEの実際
認知症テストのMMSEですが、具体的な内容は以下の様なものです。
1.テスト1.時間の見当識(5点)
- 今日は何日か?という「日にちの質問」
- 今年は何年か?という「年の質問」
- 今の季節は?という「季節の質問」
- 今日は何曜日?という「曜日の質問」
- 今月は何月か?という「月の質問」
2.場所の見当識(5点)
- ここの都道府県は?という「都道府県の質問」
- ここは何市?(町、村、区など)という「区町村の質問」
- ここはどこ?(またはこの施設の名前は何?正解は建物名のみ)という「場所の質問」
- ここは何階?という「階数の質問」
- ここは何地方?という「地方に対する質問」
3.即時想起(3点)
今から私(試験者)が言う言葉を覚えて、続いてくり返し言って下さい。
「桜、猫、電車」⇒ハイ、と答えを言ってもらう。
(三つの言葉を1秒間隔で言っていく。その後テストを受けている人に言ってもらう。
これが出来るまで最大6回繰り返す。最後に言えた数が得点となります)
その際「今の言葉は後で聞くので覚えておいてください。」と伝えておきます。
(質問5で再び復唱させるので、覚えさせる。くり返しは6回までとなります。)
4.計算(5点)
・100から順番に7をくり返し引いてください。
(5回くり返し7を引かせ、正解数が得点となる。正解が途切れたら、終了)
5.遅延再生(3点)(正解1つにつき1点)
・さっき私が言った三つの言葉は何でしたか?
(質問3で提示した言葉を復唱させる。植物、動物、乗り物などヒントを与えても良い。)
6.物品呼称(2点)(正解1つにつき1点)
・時計(又は鍵)を見せながら「これは何ですか?」という質問に答えてもらいます。
・鉛筆を見せながら「これは何ですか?」という質問に答えてもらいます。
7.文の復唱(1点)
・今から私が言う文を覚えてくり返し言って下さい。
「みんなで力を合わせて網を引きます」
(口頭でゆっくりはっきりと言い、1回で正確に答えられた場合1点を与える)
8.口頭指示(3点)
・今から、私が言うとおりにして下さい。右手にこの紙を持って下さい。
それを半分に折りたたんで下さい。そして私に下さい。
(紙を机の上に置いた状態で始める)
9.書字指示(1点)
・この文を読んで、この通りにして下さい。
(「目を閉じてください」と書かれた文を渡し、実際に目を閉じれば1点)
10.自発書字(1点)
・この部分に何か文章を書いて下さい。どんな文章でもかまいません。
(例文を与えず、意味のある文章が書ければ正解。状態などを示す四字熟語は正解。)
11.図形模写(1点)
・この図形を正確にそのまま書き写してください。
(二つの五角形が一つの角で重なった図形を渡す。一つの角で交差していれば正解)
認知症テストMMSEで分かる事、注意する事は?
MMSEの認知症テストは、主に記憶力、計算力、言語力、各種の見当識を測定する認知症テストです。
【30点満点】
27~30点・・・異常なし
22~26点・・・軽度の認知症の疑いが有る
21点以下・・・認知症の疑いが強いと推測することが出来ます。
MMSEのテストは、質問の内容ゆえに、真剣に答えようとしない被験者も少なからず居ます。
従って、MMSEを行なう際には、被験者にテストの意義をよく理解し、協力してもらえるかどうかがとても重要なポイントとなります。
その点は、人対人の雰囲気の中で行うものでもありますので、しっかり連携しながら正確なテストを行いましょう。