認知症テストの長谷川式について
認知症テストの一つに「長谷川式」と言うものがありますが、ご存知でしょうか?
長谷川式は、とても有名な認知症テストですので、認知症が気になっている世代の方はご存知の方も多いことでしょう。
この認知症テストは、正式には「長谷川式簡易知能評価スケール」と言います。
長谷川式は、正常なお年寄りなら簡単に答えられるような問題ですが、認知症の高齢者には、答えるのが難しい質問を問題にしたものです。
ここでは、そんな長谷川式の認知症テストについてご説明します。
認知症テストの長谷川式は9つの質問から成り立つ
長谷川認知症テストの問題には、9つの質問がありますが、内容はだいたい以下のようなものです。
1.お年はおいくつですか?(満年齢が2歳までの誤差で正解)点数2点
2.今日は何年の何月何日ですか?何曜日ですか?(年・月・日・曜日で各1点)合計4点
3.わたし達が今居るのはどこですか?(自発的に答えると正解)2点 (三択でヒントを与えて、正解を選択すれば、1点)
4.これから言う3つの言葉を言って下さい。
後で、再び聞きなおしますので良く覚えておいてください。
(次の二つの例のどちらかを使い、質問7で、覚えているかを確認する)
例1:桜・猫・電車 例2:梅・犬・自動車
5.引き算をして下さい。100-7は?(繰り返し、言わないこと)1点
正解したらそこから7をひくと?(最初の引き算が出来ない場合は6に進む)1点
6.これから言う数字を逆から言って下さい。1問目6・8・2 2問目3・5・2・9
(正解の場合各1点。間違えたら7に進む)2点
7.質問4で覚えてもらった言葉を、もう一度言って下さい。
(ヒントを与えた場合1点)2点
(ヒントは、「一つは植物でしたね」と一つずつ与える)
8.これから五つの品物を見せます。
それを隠しますので、何があったか言ってみてください。
(時計、ペン、硬貨など、無関係のものを用意しておいて、名前を言いながら教える。
次にそれを隠して順番はかまわないので何が有ったかを言ってもらう)(各1点)5点
9.野菜の名前を出来るだけ多く言って下さい。 5個以下0点、6個以上各1点、最大5点
(重複は加えない。流暢性を見る質問のため、途中で10秒言葉が詰まったら、打ち切る)
認知症テスト長谷川式で、何が分かるか?
認知症テストの長谷川式で分かることは何でしょうか?
質問の意図は、以下のようになります。
- 年齢の見当識
- 日時の見当識
- 場所の見当識
- 言葉の即時記銘
- 計算能力
- 数字の逆唱
- 言葉の遅延再生
- 物品記銘
- 言語の流暢性
を確認することです。
30点満点のこのテストの結果から、認知症の疑いの程度が、推測できます。
24~21点:軽度の認知障害の疑いが有る 20点以下:認知症の疑いが有る
20~16点:軽度認知症の疑いが有る 15~11点:中等度認知症の疑いが有る
10~5点:やや高度認知症の疑いがある 4点以下:高度認知症の疑いが有る
ただし、長谷川式識認知症「テスト」だけで、病気かどうかを判断するのは間違っています。
専門医の「問診」と検査機器による「画像検査」を含めて、三つの検査結果を総合的に判断する必要が有ります。