認知症の種類の3つ目、レビー小体型認知症とは?
レビー小体型認知症の方の場合、「歩きましょう」と促すと返事はするものの、最初の一歩が出ないことがよくあります。
また、歩き出しても、非常に歩幅の小さな小刻みな歩行になり、一度止まると再度動き出すまでに時間が掛かります。
もちろん、動作が遅いからと言って急かしたり、押したり引っ張ったりするのは厳禁です。
それと、ここで一番気をつけたいのが転倒です。
高齢者で認知症の方は、受身が取れないために、大きな事故につながりかねないのです。
このように動作の緩慢、小刻み歩行をはじめ、手足の震え、無表情、筋肉のこわばりなどの「パーキンソン症状」が出るものがあります。
また、レビー小体型認知症は、いないはずの人や生き物が見える「幻視」や、実際の物を別の物と錯覚する「誤認」などが出現するのも特徴です。
原因は、レビー小体というたんぱく質が起こす脳神経の異常なのですが、脳血管性認知症と同じくらいの割合で発症しています。
レビー小体型認知症の原因について
レビー小体型認知症の主な原因は、レビー小体という固まりが脳内にできることで、脳が機能低下を起こしていくことです。
レビー小体型認知症の症状は、パーキンソン病のそれに似ています。
幻覚や幻視、手の震えや歩行障害などが、身体に現れ始めます。何もないのに転ぶことも増えてきます。
MRIで検査画像を撮ると、脳の萎縮がハッキリと認識できないことが多いですが、進行度が高くなると脳の萎縮がハッキリしてきます。
レビー小体型認知症の分かりやすい症状は、注意力が散漫になる、気分や態度の変化が大きいなどが多く、意外に物忘れは多くありません。
詳しい検査を受けると、脳の後頭部に血流の低下があり、そこが空間認識や視覚を司っていると言われているので、転んだり幻覚が見えたりするようです。
そのため、レビー小体型認知症は、身体のバランスを取ったり、身体の動きが固くならないようにリハビリテーションを行うケースもあります。
レビー小体型認知症の治療と薬
レビー小体型認知症に関しては、現在「アリセプト」での投薬治療が行われるようになっています。
元々、アリセプトは、アルツハイマー型認知症への適応承認のみでしたが、レビー小体型認知症への適応も承認されました。
とはいえ、残念ながら、この薬でも、認知症を完全に治すことはできず、進行を遅らせることしかできません。
また、薬が使えるようになったとはいえ、やはり症状が軽度なうちに治療を始めるのが最良といえます。
しかし、薬には副作用や禁忌がつきものであり、専門医によく相談し、状態を見ながら使用する必要があります。