脳血管性認知症とはどんな病気?
脳血管性認知症(のうけっかんせいにんちしょう)の人には、さっきまで笑って会話をしていたと思ったら、急に怒ったりするのを目の当たりにして戸惑うことがあります。
「何か悪いことを言ったかな?」と気になってしまいます。
しかし、これは脳血管性認知症によくある「感情失禁」という症状なのです。
もちろん、何かが気に障った可能性はあるので、その原因を把握して配慮することも必要なことではあります。
また、たとえばメガネを取ってほしいときに「あれ、あの、あれを」とメガネのことはわかっていても言葉が出なくなることもしばしばです。
ご本人も、こういう自分を理解しているために心痛を味わってしまう、ということを忘れずにサポートしたいものです。
脳血管性認知症の症状と進行
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などが原因とされる認知症で、アルツハイマー型に次いで多いとされています。
しかし、脳血管性認知症の病状の進行は一進一退です。
その症状も、脳のどこで障害が起きているかによって変わってきます。
感情失禁をはじめ、箸の使い方や左右がわからなくなったり、周囲の声が気になったりと様々です。
そして、脳血管性認知症はは、良い時と悪い時が交互に現れる「まだら認知」も出現します。
この時、「昨日はできたのに今日はできない」と落胆せず、できない時にはそっと手を貸し、できる時には見守るという姿勢が大切です。
脳血管性認知症は、脳血管の障害が起こるたびに進行して行きます。
ですから、脳梗塞や脳出血の再発予防が重要になってきます。
脳血管性認知症には、きちんと受診や服薬をし、適度な運動と食生活に気をつけるなどの基本的なことが大切なのです。
脳血管性認知症の原因と診断について
脳血管性認知症の原因と診断についてご説明しましょう。
年齢とともに、私たちの体を走っている「血管」は硬くなることは良くご存知だと思います。
ただし、普通の年齢以上に血管の障害が進むときというのが、「生活習慣病」を放置しておいた場合です。
そんな血管が心臓で詰まれば「心筋梗塞」、血管が脳で詰まれば「脳梗塞」という病気になります。
その他、血管が障害を受ける病気としては「高血圧」や「糖尿病」も、それに当てはまります。
そんな脳の血管に対する障害が「脳血管性認知症」にも当てはまるのです。
脳や心臓の血管は非常に細いため、他の部位に比べても詰まりやすいです。
脳はとてもデリケートな場所でもありますので、血管が詰まって酸素不足に陥ると「脳血管性認知症」になりやすくなります。
脳血管性認知症は、脳のCTスキャンやMRIが診断に用いられます。
ある程度の年齢になってきたら、ハッキリとした手足の痺れなどがなくても、高血圧や糖尿病を持っている人は要注意です。
特に、つじつまが合わない話をしたり、物忘れが激しくなったて来たら、脳外科、または神経内科を受診することをおススメします。