認知症の種類の1つ目、アルツハイマー型認知症とは?
4大認知症の一つ、アルツハイマー型認知症とは、どんな認知症なのかをご説明しましょう。
まず、アルツハイマー型認知症では、
「今日、雨は降る?」「いいえ、降りませんよ。」
こんな単純な会話が、何度も繰り返されることがあります。
アルツハイマー型認知症の特徴的な症状のひとつに、ついさっき言ったことを忘れるといった「短期記憶障害」があります。
それも、ご本人は言ったことさえ覚えていないので、「さっきも言いましたよ」と言われても納得できません。
ですから、こちらも初めて聞かれたかのように答えます。
これだけでも、ご本人はほっとするのです。
これは、特殊な「たんぱく質」の増加に伴う「脳神経細胞」の死滅による機能低下が原因とされていて、治すことは不可能と言われています。
アルツハイマー型認知症の原因とは?
アルツハイマー型認知症の原因として考えらえているのは、βアミロイドという物質が脳細胞に蓄積することで、細胞が変性してしまうことです。
早い方で言えば、アルツハイマー型認知症は40歳頃から発症します。
ただし、ゆっくりと進行していくために、目に見える症状としては5年~10年後に現れるとされています。
アルツハイマー型認知症の「短期記憶障害」は、エピソードそのものを忘れます。
よく聞かれる話だと思いますが、少し前に食事をしたことを、忘れてしまうのです。
ところが、脳の構造はどうなっているのやら、さっきのことは忘れても、昔のことはよく覚えているのも不思議な特徴の一つです。
アルツハイマー型認知症が発症してしまうと、時間や場所も判断が難しくなりますので、何かを計画して行うということも難しくなります。
アルツハイマー型認知症の症状
アルツハイマー型認知症では、短期記憶障害のほかに、物事の良し悪しがわからなくなるといった「判断力の低下」も起きてきます。
たとえば、飲み残しのお茶を、あたかも庭先に捨てるかのように「床」に捨てたりしてしまいますから、多くの方は驚かされます。
でも、ここで責めてはいけません。
責められたら、不愉快な想いだけが心に残ってしまうからです。
このような症状をはじめ、
- 今日の日付がわからなくなったり
- 季節感のない服選びをしたり
- 徘徊や失禁が増えてきたり
と、緩やかではありますが確実に進行していきます。
その際も、ご本人に残っている自尊心を大切にしながら介護をすることが必要となってきます。
しかし、現実的には、それはなかなか難しいことです。
そこで、役所や地域包括支援センターなどでサポートを受けることが、共倒れを防ぐひとつの方法だと思います。